園部 聡選手 (聖光学院)
寸評
センバツ大会でも、その堂々とした体格からパワフルな打撃が目立った 園部聡 。更にこの夏は、成長した姿を全国のファンに魅せつけた。 (第一印象) 打席での堂々とした雰囲気は、とても2年生とは思えないほど。こと打つことに関しては、この世代でもトップクラスの強打者だと言えるのではないのでしょうか。 (守備・走塁面) 残念ながらセンバツで観戦した試合でも走力は計測できなかったのですが、夏の大会でも観戦した試合ではタイムは計測できませんでした。ただ福島予選の6試合で1盗塁と、相変わらず足でアピールすることはないようです。 センバツからの成長は、一塁の守備がだいぶ板についてきたと言うこと。その動きの良さは、福島大会の6試合でも無失策のことからもわかります。こと一塁ということに限定すれば、問題のないレベルになりつつあります。ただ新チーム以後、他のポジションも担うとなると、身体能力的に微妙な感じは致します。 (打撃内容) センバツでは、広角に打ち返す中距離ヒッターと書いたのですが、この夏は少し様相が変わっていました。と言うのは、踏み込んだ足の爪先が開いて踏み込んで来て、かなり引っ張りを重視したスイングに変わっていたこと。そして始動が幾分早くなり、よりアベレージヒッターの傾向が強くなった気が致します。そのためパワフルで打球は強烈なのですが、あまり打球が上がらなくなっている気が致します。 <長所> 早めに始動し、着地までの「間」が取れているので、速球でも変化球でも対応しやすい打ち方です。ベース側にシッカリ踏み込むので、外角を強く意識しているように思います。 打撃の準備である「トップ」を早く作り、バットも上から引っ張ったくようにスイングできています。そのため、ボールを捉えるまでにロスは感じられません。春よりも、スイング軌道は大きく改善されたように思います。 <課題> 踏み込んだつま先は開き、更に足が地面から離れるのが早いなど、引っ張りにかかるケースが増えてきました。こうなると引っ掛けることも多くなりますし、打てるコースは限定されてしまいます。 また意外にスイングの弧は小さめで、フォロースルーも使えないなど、ボールを遠くに運ぶタイプではないように見えます。あくまでも腕力の強さで球足は早いのですが、ボールは上に上がって行きません。
更新日時:2012.09.19
将来の可能性
気になったのは、高校球界屈指の強打者である園部が、実はあまり長距離打者ではないのではないかという疑問が生じてきたこと。まして守備や走力でのアピールも低いと考えると、ドラフト的な興味はグンと低くなる。彼が今後、どんな方向で進んでゆくのか冷静に見極めて行きたいと思います。対応力は増しましたが、その分長打力が薄れた印象を持ちました。
更新日時:2012.09.19