川口 貴都選手 (國學院久我山)

川口 貴都

球歴:國學院久我山

都道府県:東京

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:181.0 cm

体重:85.0 kg

学年:卒業

寸評

 新2年生となって挑んだ選抜大会。川口貴都 は、スカウト達をも魅力する素材の良さを垣間見せた。少々もっさりしていてエンジンのかかりが遅いのは気になるが、そんなところがどことなく西村健太朗広陵-巨人)の高校時代を彷彿させる。 (投球内容)  少しヌボ~とした感じでの投球で、身体のキレはイマイチ。それでも手元まで活きた球が、捕手のミットに突き刺さる。変化球は、カーブ・スライダー・ツーシームなど。緩急や縦に落ちるような球は見られず、また空振りを誘うと言うよりも、粘っこくコースを突いて打たせて取るタイプの投手なのだろう。  選抜九州学院戦(2011年03月26日)では、立ち上がりを中心に制球を乱したものの、それほど制球が悪い投手には見えない。またフィールディング・牽制などの各動作にも、鋭さこそ感じないが、大きな欠点も見当たらない。ゆっくり足を引き上げてくるような、自分の「間」を大切にするタイプ。ただもう少し、投球に緩急や動作のメリハリが出てくると、このもっさりした印象も、だいぶ変わってきそうだ。この投手の大きなキーワードは「鋭さ」を磨くことにある。 (投球フォーム)  緩急や縦の変化が見られないのは、お尻の一塁側への落としがやや甘い点。それは、引き上げた足を地面に向かって伸びてしまいがちで、お尻がしっかり一塁側に落ちないから。更に引き上げた足を、もう少し着地するまでに粘りが見られれば打者からも嫌がられるだろう。  グラブは内にしっかり最後まで抱えられ、両サイドの制球は安定。足の甲の押しつけも深く、ボールは低めに集まりやすい。ただ重心の沈み込みが深すぎて、体重移動が阻害されてしまっている。もう少し沈む込みを緩和しないと、前には体重が移って行かないのではないのだろうか。  胸をしっかり張れているので、ボールの出所は早すぎることはない。着地までの粘りも早すぎることはないが、もう少し粘りが欲しい。ただ「球持ち」はいいので、独特の粘っこい投球ができている。あとは、腕をもっと振ったり体重移動を滑らかにしたりして、後ろ足の蹴り上げが出てくるようだとフォームに躍動感が出てボールにも勢いが出てきそうだ。
更新日時:2011.04.27

将来の可能性

体格、馬力共に恵まれている選手なので、最終学年では相当な投手になっていることが予想される。ただそのためには、何か自分の殻を打ち破って行くような、ダイナミックな変化を期待したい。今は、あまりに淡々とのべ~としてしまっていて、投手としての面白味に欠ける印象なのだ。このままゆったりとした成長曲線を描くよりも、一度自分の限界を超えた投球を見てみたい。その殻を心身共に突き破って行かないと、ソコソコの投手で終わってしまうはず。来年までに、その殻を打ち破れるのか、大胆な腕の振りに期待してみたい。
更新日時:2011.04.27

寸評

國學院久我山川口貴都。右上手から投げ込む直球はマックス145キロを計測し、その威力は今大会でも指折りのものがあった。打者としても2安打を記録。打撃センスはチームNO.1で投打に高い才能を持つ。まだ技術的な課題は多いものの、来年の西東京を代表する右腕に成ることは間違いないだろう。 (投手) ストレート マックス145キロ 常時130キロ後半~140キロ前半 縦のスライダー 100キロ前後 スライダー   115キロ前後 直球の威力は高校2年生にしては高い水準にあり、打力が高い九州学院に対してストレートで空振りを奪うことができるのは非凡であることを証明している。ただストライクとボールがはっきりしている。変化球は100キロ前後のカーブ、チェンジアップを投げわけ緩急をつける投球をしようとする意図が見えるが、腕の振りが緩んでしまい、その効果は半減され、そしてストレートのコントロールも良くないために打ち崩すのはそれほど難しい投手ではないと思う。九州学院戦では3回以降はストレート中心の投球で抑えることはできていたが、素晴らしいストレートがあっても圧倒できないのが野球の難しさである。 (打者の攻め) ・右打者 外角中心にストレート、変化球を投げ分けるスタイル。右打者には外角ストレートを中心に捻じ伏せることができており、右打者の攻めは問題ない。 ・左打者 外角中心にストレート、変化球を投げ分ける配球だ。インコースを攻めようとする意図も見えるが、インステップ故に起こるシュート回転が影響し、攻められない欠点を露呈。インコースを構えても、真ん中に入って痛打される一面を見てきた。開き直って外角ストレートを中心に投げるスタイルに転向。自信を持って投げるストレートはやはり打たれない。 この投手の課題はランナーを置いてからの投球。力んでしまい高めに浮いたり、叩きつけたりとあまり良い投球ではない。クイックも1.3秒台と遅いタイムで、あまり牽制を入れるタイプでもないので、足の速い走者にとっては走りやすい投手であると伺えた。 (投球フォーム) ノーワインドアップから入る。左足を真っ直ぐ上げていき、右足は真っ直ぐ立つ。左足をショート方向へ伸ばしていきながら、ややインステップ気味に踏み込む。インステップにより腰の横回転が強くなり、シュート回転を生み出していると思う。伸びのあるストレートを活かすのであれば、インステップはやめたほうがいいと考える。左腕のグラブを斜めに伸ばして引き込んでいく。コンパクトにテークバックをとっていき、トップに入る。そしてリリースに入る。胸の張りが良く、肘を使ってボールを離すことができており、上半身の使い方は綺麗だ。そしてフィニッシュ。やや腰が詰まり、膝が割れてしまうので、どっと体重が乗らないフォーム。彼がクイックを上手く出来ないのは体重移動ができていない部分が関係していると考えられる。 上半身の使い方は綺麗なフォーム。だがインステップによりシュート回転になり、腰もつまり気味なので負担がたまりやすい。体重移動の部分を見直して行けばこの投手はぐっと変わってくるはずだ。 (打撃) スタンスはスクエアスタンス。グリップを高めにおいてヘッドを揺らしながら構えている。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、足を高く上げて間を取りながら真っ直ぐ踏み込んで打ちにいく。トップは深くとっていき、しっかりと形成することができており、強い打球を生み出すことができている。スイングは鋭く、また身体が突っ込まずに軸足がぶれずに、押し込んでいるので、打球はかなり鋭い。そしてフォロスルーを大きく取って振り抜いていく。ツボに来たらスタンドインさせるパワーは持ち合わせており、國學院久我山では一番の打撃センスを持っているだろう。
更新日時:2011.04.12

将来の可能性

常時140キロ前後・マックス145キロを計測する馬力の強さは素晴らしいものがあり、投手としては恵まれた素質を持っている。野手としても光るものを感じるが、個人的には投手として見ていきたい選手だ。まだ変化球の精度、制球力、クイックなど課題は山積み。マックス145キロのストレートを投げることができても、何か凄みを感じない投手に見える。隙があるので、思わぬところから大量失点される危うさもある。恐らく来年の西東京を代表する右腕になる存在であるとおもうので是非大成することを期待したい。
更新日時:2011.04.12

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