小川 裕人選手 (東北)
寸評
東北高校の大型ショート。この神宮大会まで彼の存在は知らなかった。神宮大会の2試合を見て、動きの良いショートとしてリストアップする事を決めた。184センチの長身でありながら身のこなしのよさに目が留まった。 (打撃) 金沢戦(2010年11月13日)では外角スライダーをレフト線破る二塁打。浦和学院戦(2010年11月15日)では外角のストレートを捉えて左中間を破るツーベース。外角の直球を叩いてセンター前ヒット。打球の速さ、には目を見張るものがあり、まだ技術的には粗いが、ポテンシャルの高い選手だ。 スタンスはクローズスタンス。グリップを高めに置き、バットを寝かせて膝を曲げて構えている。投手の足が降りたところから始動を仕掛け、足を回しこむように上げていき、真っ直ぐ踏み出す。トップの動きを見ていくと深く取っていくが、グリップが頭の後ろに入りすぎてしまっている。そのためインコースは体が開いて打たないとならず、インコースは打ち辛いものがあるだろう。クローズということもあって、アウトコースを主眼に置いた構えであるので、アウトコースには対応できている。ただ踏み出した膝がぶれ、頭の位置が動くので、目線がぶれやすく課題が多いフォーム。彼は引っ張る傾向が強く、外角にも巻き込んでレフト方向へ飛ばす。その強引さも大事だが、時にはライト方向へ打ち返す器用さも見せる事が必要だ。 (守備) 動き、リズムが良く大型ショート候補と呼べるものがありそうだ。 まずグラブ捌きは柔らかく、際どいゴロにもしっかり捕球できており、球際の強さを感じさせる。180センチの長身ながら足裁きが良いので、守備範囲が広い。捕球してから送球するまでの動作のリズムが良く、中々上手いショート。特にゲッツーに入ってからのリズムが素晴らしく、握りなおして送球するようなことはなく、リズム良く地肩の強さはまずまず強く、高校生のショートとしては高いレベルにあるようだ。
更新日時:2010.12.19
将来の可能性
彼のよさはなんといっても184センチの長身で、身のこなしが良いということ。この身長になると緩慢な動きになってしまう選手が多いだけに身のこなしの良さは大きな武器だ。課題は打撃。巻き込んだ打撃を売りにしているが、それが却って粗い打撃になっているので、ライト方向へ長打が多くなるともっと警戒される打者になるであろう。来年の大型ショート候補として来年の選抜では成長ぶりを確認していきたいと思う。
更新日時:2010.12.19
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