高橋 周平選手 (東海大甲府)

高橋 周平

球歴:東海大甲府

都道府県:山梨

ポジション:遊擊手

投打:右 / 左

身長:185.0 cm

体重:83.0 kg

学年:卒業

寸評

昨年から今年のドラフト一位候補として注目を集めた高橋周平。甲子園出場もない高校生にこれほど高い評価するのは異例で、それに値する選手なの?という疑問の声があって当然だ。彼を一位候補として取り上げる理由としては高校生としては打撃フォームの完成度が高いこと。そして185センチ80キロという恵まれた体格をしたショートならばスカウト達が一位候補としてリストアップするのは当然だと考える。将来の主力候補としてこれ以上の候補はいないだろう。 (打撃)  今年は関東大会2試合を観戦。合計で7打数5安打2四球と期待を裏切らない活躍を見せてくれたと思う。ヒットを打った打撃内容を振り返ると八王子戦(2011年05月15日)の第3打席に逆方向の指示が出ていたということで外角直球を左中間へ鋭いライナー。ラインドライブがかかった打球であった。第5打席は高めの直球を引っ張りセンター超えの二塁打。ややこすった当たりであったが、ぐんぐんと伸びていった。本人曰く50点の内容であったが、広角に打ち分ける当たりを見せた。続く習志野戦(2011年05月16日)が素晴らしかった。習志野戦のレポートをそのまま引用させてもらう。注目の第一打席。1-1から外角のストレートを引っ張り痛烈なライト前ヒット。さらに第2打席は0-1から外角のストレートをおっつけて左中間を破る二塁打。捉えた打球の速さも素晴らしかったが、見逃してならないのは走塁への意欲。中継プレーの様子を見ながら三塁へ伺う素振りを見せており走塁への意識の高さを感じられた。第4打席はアウトコースストレートをおっつけてレフトフェンス際のフライ。おっつけた当たりだが、しっかりと自分のポイントで打ち返すことができており、技術の高さを感じさせた。そして最後の第5打席。イニングは8回の表を迎え二死からチャンスを作り二死1,2塁の場面で高橋に回った。こういう場面で打席に回ってくるのはこの男の星の強さが物語っているように感じた。2-1からインコースに入る直球を引っ張り右中間を破る二塁打。左肘を畳んで最短距離で捉えてライナー性の二塁打にした。打撃フォーム自体は昨年と大きな変化は感じられない。欠点であった縦系変化球の対応の弱さ。チェンジアップにタイミングが合わずに空振りしていたのは懸念材料である。だが昨年よりも下半身が太くなり、スイングの速さ、打球の速さがプロの選手に近づいてきたこと。そして広角に打ち分けられるようになった。関東大会の打席内容に合わせて春の山梨大会決勝ではレフトスタンドへホームランを打っているし、打席内容から少しずつ進化が感じられるのは確かである。 (守備) 今年のチェックポイントはショートとして守備力がどれほど伸びているかであった。シートノックから食い入るように見てきた。守備力が上手いショートと比べると反応が遅れることがあり、身のこなしも良くない。だが昨年よりも守備に対する意識が高まり、深い当たりでは逆シングルから力強い遠投。正面のゴロに対しては素早くゴロを処理して強烈なスナップスローでアウトにするシーンも見られた。まだ不器用さは否めないが、上手くなろうとする姿勢は伝わってきた。個人的にはショートタイプと思っていない。将来的にはサードタイプと思うが、一球、一球に対する食らいつきがだいぶ良くなってきたので辛抱強く取り組めばいずれはサードを守れる可能性を持った選手になるだろう。 塁間タイムは4.2秒前後とそれほど特筆するほどのタイムではないのが気になるところ。二塁打のタイムも8秒台を記録している。個人的には8秒を切る走塁を期待したい。
更新日時:2011.07.04

将来の可能性

昨年と技術的な変化はないが、精神面・肉体面が大きく成長を見せてくれた。冬場に1日1000本のスイングを課し、10キロ以上に及ぶランニングコースを一度も脱落せず走り抜いたオフの成果が自信に表れ、精神的に充実。下半身も昨年に比べて充実するようになった。注目される中でも結果を残すのは経験と精神的に強くなったことが大きいだろう。打球も一段と強くなった。 課題としては縦系の変化球に対して体が突っ込んでしまう欠点。そして昨年から懸念していた通り、やはり狙い球を絞らず来た球を打つ天才肌タイプ。そういった思考で一気に変化球の精度が上がるプロのレベルに対応できるか不安なところはある。 その欠点があっても私はドラフト1位で指名されるべきで、プロで活躍できる可能性が高い選手として評価している。理由を挙げると高校生としてハイレベルな技術と愚直に練習に取り組める姿勢だ。自身の成長のためには何を取り組むのか。それに向けて努力できる人間性がある。それは一つ一つの所作、昨年に比べて大きく厚みが増した肉体から感じ取られる。プロ選手として必要な体力は備わり、姿勢の良さもあるので成長する余地は十分にある。5年後には一軍のレギュラーとしてプレーしていることを期待したい。
更新日時:2011.07.04

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