上村 健人選手 (東北)

上村 健人

球歴:東北

都道府県:宮城

ポジション:投手

投打:右 / 左

身長:184.0 cm

体重:89.0 kg

学年:卒業

寸評

東北高校の投打の柱。投手を務めているが、将来性は断然、打者だ。183センチ87キロの体格には迫力を感じさせ、打席に立つとその迫力が更に引き立つ。懐の深い構えから繰り出す打球は強烈で、右、左にも長打を飛ばせる打撃センスは素晴らしい。選抜では注目のスラッガーとして取り上げておきたい。 (投手) 右オーバーから投げ込む直球は常時130キロ~135キロ(マックス136キロ)を計測。際立つ球威はないものの、コントロール良く投げ分けることができている。変化球は120キロ前後のスライダー、120キロ前後のシュート、チェンジアップを投げ込む。打者の攻めを見て行くと両サイドの投げ分けができており、右打者にはスライダー、左打者にはチェンジアップ、シュートを投げて狙い球を外している。 クイックは1.1秒~1.2秒台でまずまず素早いクイックは見せているし、牽制もそれなりに鋭い。時折、ランナーに無警戒なときがあり、スタートの良いランナーでは盗まれやすいので気をつけてもらいたい点。フィールディングを見ると動き自体は悪くないが、やはり大柄ということもあって、体のターンがまだ鈍い。 (投球フォーム) ワインドアップから入る。左足を真っ直ぐ上げて、軸足でしっかりと立ち、バランスよく上げていく。二塁方向に足を送り込んでいき、着地していく。左腕のグラブを真っ直ぐ伸ばしている、打者と正対しているため、出所が見やすい。開きの早さが目に付き、やや野手投げと思わせるものがある。打たせて取る投球をしているためか、速い球を投げたい。切れにあるボールを投げたいといった投手としての拘りがこの投手からはあまり感じられない。ただ軸が安定しており、目線がぶれないため両サイドの投げ分けができているのだ。土台はしっかりしているので、トレーニングのやり方次第で球速は伸びていきそうだ。 (打撃) 金沢戦(2010年11月13日)では4打数3安打二長打と自慢の長打力を遺憾なく発揮。この試合では右、左へ町田を打ち分け、広角に打てることをアピール。まずファーストへの内野安打。センターフェンス直撃の二塁打、左中間を破るツーベースを打った。浦和学院戦ではライト前ヒットと投手強襲安打。長打はなかったものの、打球は火を噴くように速かった。 スクエアスタンスで構える姿は懐が深く、非常に雰囲気があって好い。なんといっても下半身が厚いので、ここから強いパワーの源になっていると伺える。投手の足が着地したところから始動を仕掛けていき、足を小さく上げていきインステップしていく。ヘッドを残し、ボールを呼び込んで打つので変化球に合わせるのは上手いし、インパクトが強く、スイングスピードもかなり速く、捉えた打球の力強さ、弾道の高さはこの時期の高校生としては頭ひとつ抜けたものがある。打撃の形は良く、打席内でも狙い球をしっかり絞りながら打席に入っており、意識の高さを感じさせる。ただこの選手は頭が突っ込む癖があり、頭が突っ込み、腰が鋭く回転せず、腕の力だけで打ってしまいゴロになってしまう。強い打球を打っている時のフォームは頭の突っ込みを我慢している。軸が安定さえすれば、この選手は150キロ級の投手でさえアジャストする。ライナー性の打球は現時点では多いので、打球の角度が上がれば、本塁打を連発できるポテンシャルは持ち合わせているだろう。 (守備) 投手のフィールディングを見るとあまりよく見えなかったのだが、レフトの守備ではしっかり打球に反応し、対応の難しい後ろの打球にも遠回りせず打球位置に到達することができている。機敏さは感じないが、バックアップはできているし、基本はしっかりと押さえた守備ができているのではないだろうか。
更新日時:2010.12.19

将来の可能性

この選手の良さは軸の安定さだ。それは投手でも、野手でも同じだ。強靭な下半身をしっかりと支えることができているので、やや野手投げのように見えてもボールはコントロールできているし、打撃では火を噴くような打球を放つことができている。 将来性という点では断然、野手。一冬の間に打撃を伸ばしてドラフト指名候補と推せるスラッガーにまで登りつめることができるか注目してみたい。
更新日時:2010.12.19

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