岩本 輝選手 (南陽工)
寸評
昨春の選抜では、二年生離れした安定した制球力と冷静なマウンド捌きで、全国レベルでも通用する力があることを示した。あれから1年以上経ち、どのぐらい力をつけたのか？プロ注目右腕の現状を考えてみた。 （投球内容） 足をしっかり引き、ノーワインドアップからゆっくり足を引き上げて来る本格派。球速は、１３５～ＭＡＸ８７マイル（１３９．２キロ）程度でしたが、スカウトのガンによっては１４０キロ台も記録。昨年の選抜の時は、常時１３０～１３５キロ級だったから、この一年もの間に、常時５キロ前後は速くなった感じ。またそのストレートは、キレや伸びがあると言うよりは、比較的球威のある球質で、空振りよりも詰まらせるタイプ。 変化球は、スライダー・チェンジアップなど。両コーナーに投げ分けられる制球力はあるが、球種・コンビネーションと言う観点では、あまり昨年と変わっていない。また追い込んでからの決め手不足もあり、まだまだ絶対的な球種がない。 牽制も上手く、クィックも１.０秒前後と高速。経験豊富なので、マウンド捌き・制球力も悪くない。ただ投球にメリハリに欠け、やや単調。フォームにもそれほど嫌らしさがないので、淡白な印象は否めない。ただ９回になっても、球威・球速が衰えないスタミナは、高校生としてはA級だった。
更新日時：2010.07.02
将来の可能性
土台となるフォームは、けして悪くない。基礎体力も、基礎技術も問題ないし、これから素直に肉付けできれば、更に伸びてくる可能性は感じる。 ただ現状は、投手に求められる繊細さや、投球のメリハリさに欠け、絶対的な球種がないのが気になる。そのため有力大学や社会人などに進んで、３～４年後の成長を待つのが望ましいと考える。順調に伸びて行けば、上位候補への可能性も秘めた素材。「旬」の時期が来ることを、今から楽しみに待ちたい。
更新日時：2010.07.02