試合レポート

北中城vs向陽

2019.06.30

上位三人で7安打4打点!北中城がコールドで二回戦へ

 1番池原が3安打(2本の長打)、2番仲宗根と3番玉城は2安打ずつ放ち3人で4打点。上位打線が機能した北中城がコールド勝ちを収めた。

 1,2回と、沖縄向陽の先発鳥海の100kmを下回る遅球に苦しんだ北中城。沖縄向陽側も、選手層の厚さや個々の力量では叶わない。知恵を絞ったバッテリーが選んだのが、遅い球を低めに集めて大振りする打者を打ち取っていこうとしたのだろう。好打者池原が打ち取られると、続く仲宗根はミートに徹したバッティングに切り替える。これが功を奏しセカンドの頭を超える右中間への二塁打。玉城はレフトフライに終わるが、4番安里が四球を選ぶとダブルスチールを仕掛けて相手を揺さぶる。その次の投球でパスボールが出て北中城が先制点を挙げた。

 2回の北中城は先頭の仲田がセンター前ヒットで出塁すると、犠打、四球、ワイルドピッチで二・三塁。ここで9番はスクイズ(セーフティースクイズか?)も、三塁走者のスタートが遅れで本塁でアウト。

 トップの池原が打席に立った1球目に一塁走者がスチールを試みる。しかし、三塁へ投げた送球が僅かに外れレフトへ転がる間に北中城が2点目を挙げた。しかしこのプレー。向陽の捕手の顔はスチールした一塁走者が向かう二塁へ向かっており、三塁走者をおびき出すギリギリのところまで我慢しての、三塁への送球。結果は失敗に終わったが、練習してきたことと、こちらも頭脳をフル回転させた彼らなりの判断だったのだろうなと、感心させられる沖縄向陽のプレーだった。

 その後、池原にタイムリーが出て3点目を奪った北中城は、4回にも池原のタイムリー三塁打、仲宗根のタイムリーで加点。5回、6回にも得点すると7回裏には二塁打を放った池原を玉城が返しコールド勝ち。16安打を集めて初戦を飾った。

 沖縄向陽は4回、四球とヒットで一・二塁とし、6番義間がショートの頭を超えるタイムリー二塁打で一矢を報いた。無得点で終わるのとそうでないのではだいぶ違う。さらにこの得点が、二死無走者からだったのも印象的。ゲームには敗れたが、やってきた全てを出し切った夏だったのではないだろうか。

(文=當山 雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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