上沢直之、山本由伸…甲子園未出場からチームの核へ成長した投手たち!
8月5日に開幕した第100回全国高校野球選手権大会が終了した。根尾昂、藤原恭大(ともに大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)、吉田輝星(金足農)といった今秋のドラフト候補となっている選手をはじめ、今大会からも多くのプロ野球選手が誕生することだろう。もちろん、今大会に出場できず地方大会で敗れた選手達も同じだ。
新エース・上沢直之は甲子園未出場
上沢直之(専大松戸→日本ハム)
今シーズン活躍している選手を見ても甲子園に未出場の選手は数多くいる。今シーズン、エース級の働きを見せている上沢直之(専大松戸→日本ハム)もそのひとりだ。高校時代は3年春に県大会準優勝を果たし、関東大会に進出したのが最高成績となっている。
高校時代の上沢がもっとも注目されたのは、3年夏(2011年)の千葉大会初戦だろう。千葉明徳との一戦で10回を投げ6点を失ったものの16三振を奪う好投を見せたのだ。この試合で投げ合ったのが、2017年のドラフトでオリックスから2位指名を受けたKー鈴木こと鈴木康平だ。鈴木もまた甲子園には手が届かなかったものの、国際武道大、日立製作所を経てプロ入りをはたしている。
これからのチームを担う存在として期待される若手選手にも、甲子園未出場組は多い。
「九州四天王」も甲子園には届かず
左から濱地真澄、梅野雄吾、山本由伸、太田龍
2016年のドラフトで注目された「九州四天王」こと濱地真澄(福岡大大濠→阪神)、梅野雄吾(九産大九産→ヤクルト)、山本由伸(都城→オリックス)、太田龍(れいめい→JR.東日本)も誰ひとりとして、甲子園の土を踏むことができなかった。
太田は社会人の道を選んだが、その他の3人はそれぞれプロ入り。2年目となった今シーズン、山本はセットアッパーとして勝利の方程式に加わり、新人王の候補に挙がりつつある。
梅野も中継ぎとして起用され、8月17日にはプロ初ホールドを達成した。濱地はここまで一軍での登板はまだない。しかし、2年目の今シーズンはファームで5試合に登板し13.1回を投げ防御率0.00と結果を残しつつある。同期の才木浩人が一軍で結果を残しはじめているだけに、負けられないところだ。
このようにエース級へと育った選手や、これからのチームを背負っていくであろう若手にも甲子園未出場者は多くいる。甲子園出場組だけではなく、その他の選手にも目を向けて行きたい。
(文:勝田 聡)