肉離れの兆候を知ろう!
痛みがあるときはムリに伸ばすと筋線維をより傷めてしまう
■肉離れの兆候を知ろう!
ランニングなどを行っているとき、ふとした瞬間に太ももに違和感を感じた経験がある選手もいることと思います。肉離れはそもそも筋線維が傷んだ状態(筋挫傷:きんざしょう)をさしますが、筋肉のあるところであればどの部位においても起こる可能性があります。
ウォームアップの段階で、身体をよく温め、ストレッチを行うことが多いと思いますが、そのときに左右の動きを必ず確認するようにしましょう。同じストレッチでも右と左によって柔軟性が違っていたり、片方に突っ張った感覚が残るときは要注意です。普段以上にウォームアップを念入りに行うこと、練習に入ってからも違和感が残る、気になるといった状態が続くときはムリをしないようにしましょう。急なストップ&ゴーの動きや左右の切り返し動作など敏捷性を求められたり、瞬発力を必要とするような動作の時に、筋線維がムリに伸ばされることで傷んでしまいます。
柔軟性は太ももの裏側だけではなく、前側も同じようにチェックしましょう。太ももの前側が硬くて裏側に負担がかかってケガをしてしまうことも多いからです。また太ももの前側と裏側では筋力に差があり、あまりにも前側の筋肉が強すぎると、太ももの裏側に肉離れを起こしやすいといわれています。これを解消するためには、後ろ向きで軽くジョギングを行ったり、後ろ向きのランジ動作など、太ももの裏側を使うようなエクササイズを入れるようにすると予防に役立ちます。
太ももに痛みを感じたらゆっくりストレッチをしてみて、「伸ばしたときに痛みを感じる」ようであれば、ムリにストレッチをせず氷などでアイシングを行うようにしましょう。筋線維は引き伸ばされて傷んでいることが多いのでムリに伸ばしていくと、筋線維がどんどん傷んでしまいます。肉離れのケースは痛みを感じたらストレッチをせずに氷で冷やし、痛みが悪化するようであれば早めに整形外科を受診するようにしましょう。
文:西村 典子
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