浦添vs辺土名
初回で試合を決めた浦添
ホームランを放った黒島永(浦添)
打者13人を送り一挙7得点でシード校への挑戦権を得た浦添だった
捕手で4番の黒島永裕が光ったゲーム
秋の新チームから一年生ながら捕手でクリーンアップを務めてきた黒島永裕。ひと冬越して4番に座り、最初の打席で見事なホームランを放った。
浦添は1回の裏、先頭の宮城海翔が四球で出塁すると盗塁を決める。さらにパスボールの間に三塁を陥れた。2番城間界伸のライトを襲うタイムリー二塁打で先制。3番眞栄里大生にセンター前タイムリーが生まれると4番黒島永裕の当たりはレフトスタンドへ。4人で4点を奪った浦添だが、その後の打者も、打ち気を沈めて冷静に四球を選ぶところに、対沖縄尚学戦を見据えたものを感じた。
結局打者13人を送る猛攻で一挙7点を奪い初回でゲームを決めた浦添。「ダメ押し点を取れなかったイニングもあり、残念。」と上間監督は苦言を呈したが、これもシード校を撃破する目標のため。良かった点と修正すべき点を見つけたこと。初戦を突破出来たことはプラスだ。失うものはない。次回の沖縄尚学戦では思い切りの良いプレーで大物食いを果たして欲しいところだ。
高校野球の原点をみた辺土名高校
一緒にゲームを観戦したある沖縄県高校野球連盟の先生がこう話した。「勝ち負けではなく、ゲームに参加出来るだけの部員が集まって大会に臨んでいる。高校野球の原点を見ているようです。」全くその通りだと僕も感じていた。1年前までは部員がたった1人しかおらず、参加すら叶わなかった辺土名。夏前、助け手として野球部以外の子供達が集まって久し振りに辺土名のユニフォームが帰ってきた。
そして昨秋、32-0という大敗を喫するも部員たちは頑張り続けた。「10人のうち、約半数は他の部活との共有者。」と高良監督は教えてくれた。そんな中でついてきてくれた部員たち。3回にはセンター大城雷希が、地面スレスレの打球をスライディングで見事捕球。4回にも、難しい後方へのフライをショートの上地明斗がキャッチ。強風が吹いたこの日の悪コンディションの中、ひときわ光を放ったスーパープレー。10人でよく頑張った!
(文=當山 雅通)