試合レポート

龍谷大平安vs京都成章

2022.07.21

龍谷大平安が南野の一打でサヨナラ勝ち!

<第104回全国高校野球選手権京都大会:龍谷大平安8-7京都成章(9回サヨナラ)>◇20日◇4回戦◇わかさスタジアム京都

 甲子園通算103勝の龍谷大平安京都成章との熱戦を制した。

 龍谷大平安の先発は背番号11の久門 晨平(3年)。しかし、1回表に連続四球から1死二、三塁のピンチを招くと、4番・小森 勝心(3年)に右前適時打を浴びて先制を許す。さらに1死二、三塁から5番・中原 一之新(3年)にも右前2点適時打を打たれ、3点差とされたところで久門は早くも降板。背番号10の左腕・田中 大晴(3年)がマウンドに上がった。

 龍谷大平安は1回裏に2死一、三塁から5番・小椋 壮留(3年)が三塁への適時内野安打で1点を返すが、2回表に1死三塁から2番・岩松 俊助(2年)に中犠飛を打たれて、再び3点差とされてしまう。

 それでも龍谷大平安は3回裏に2死満塁から6番・髙岡 新時(3年)の右前2点適時打で1点差とすると、さらに一、三塁から7番・上甲 兼誠(3年)が左前適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。

 同点に追いつかれた京都成章は4回裏から先発した左腕の背番号10・田崎 脩太(2年)に代えて、エース右腕の中谷 誠也(3年)をマウンドに送る。だが、打線が活発な龍谷大平安は2死満塁から髙岡の左前2点適時打で勝ち越しに成功すると、5回裏にも2死一、三塁から3番・辻村 大我(3年)の適時内野安打で1点を追加。中盤で龍谷大平安が優位に立った。

 3回以降は田中に好投を許していた京都成章は7回表、四球と岩松の安打で無死一、二塁のチャンスとする。ここで龍谷大平安は今大会好調の左腕・吉松 優成(3年)にスイッチ。しかし、無死満塁から小森に右越え適時二塁打を浴び、1点差とされる。なおも無死二、三塁と一打逆転のピンチでエースの足立 雄祐(3年)をマウンドに送った。春以降に結果を残してエースナンバーをつかんだ足立は、中原の内野ゴロの間に同点とされるも後続を断って、同点で相手の攻撃を食い止める。「7回は僕の継投ミスです。吉松の出来が良かったので、行けるかなと思いましたが、あそこは足立で行くべきでした」と原田英彦監督は反省していた。

 試合は同点のまま9回裏に突入。龍谷大平安は1死から8番・江口 飛向(3年)が右前安打で出塁すると、続く足立が犠打を決めて、2死二塁とサヨナラのチャンスを作る。

 ここで打席に立つのは、「センスがあって、ミートが上手い」と原田監督が評する1番・南野 倫平(3年)。「ネクストに入る前に監督さんから『お前に任せた』と言われたので、自分が絶対に還そうという気持ちで打ちました」と3ボール1ストライクから外の直球を捉えると、左翼線への適時二塁打となり、江口が生還してサヨナラ勝ち。苦しい試合を勝ち切った龍谷大平安が準々決勝進出を決めた。

 試合後の囲み取材では、「まだ鳥肌が収まらないです」と興奮気味に話していた南野。「今日の試合を勝ち切ったことで次の試合から波に乗っていけると思うので、この勢いで京都を制覇したいと思います」と次戦以降に向けて力を込めた。今後も強豪校との戦いが続くが、伝統の力を見せつけたい。

(記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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