試合レポート

帝京vs早稲田実業

2022.04.11

早稲田実業に5回コールド勝ち。強打の帝京が本領発揮!

帝京vs早稲田実業 | 高校野球ドットコム
長打を打つ渡邉礼(帝京)

<春季東京都高校野球大会:帝京13-0早稲田実業(5回コールド)>◇11日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

 帝京vs早稲田実業と東京都の高校野球ファンが喜ぶ黄金カードの一戦が実現したが、試合は13対0と帝京が圧巻の打撃内容を示し、5回コールド勝ちを決めた。

 ようやく本領発揮と呼べる打撃内容を見せてくれた。

 2回裏、5番大塚 智也内野手が左翼へソロ本塁打を放ち、1点を先制。さらに3回裏も大塚の適時打で、3点目を入れた。さらに4回裏には打線が爆発。打者16人の攻めで、一挙10得点。とにかく打ちまくった。

 2回戦の成城戦と比べると明らかに状態が上がっている。2回戦終了後、金田監督は「打線になっていない」と評した打撃内容も、この試合の終了後には「打線になっていました」と高く評価した。

 スイング軌道の修正が感じられる。2回戦ではどの打者も振り回し気味で、ヘッドが下がったスイングをしていた。しかし、この試合はどの打者も、スイング軌道が改善されていた。

 4番遊撃手の渡邊 礼内野手は4打数4安打の活躍。トップの位置が安定しており、レベルスイングでしっかりと振り抜くことができていた。高校通算16本塁打を誇る強打の遊撃手。その片鱗が見える打撃内容だった。また渡邊だけではなく、秋まで高校通算16本塁打を誇った左のスラッガー・小島慎也内野手も、レベルスイングで高速打球を放つだけではなく、低めの変化球にも対応し、クリーンヒットにした打撃は見事だった。

 本塁打を放った大塚は、今大会通してタイミングのとり方が上手く、コンパクトなスイングで次々と長打を量産した。6番稲垣渉外野手(2年)は冬にかけて急成長した外野手で、金田監督の評価も高かった。全身をバランスよく使ったフルスイングで次々と長打を量産し、2安打の活躍を見せた。

 早稲田実業の投手陣も決して悪いわけではなく、ここまで大量得点を取れるのは驚きだった。

 先発・佐久間光正投手(3年)も好投した。今年の冬の取材では、ブルペンで力強い速球を見せ「この投手も控えなのか…」と驚いた記憶があるが、公式戦でその実力を発揮してくれた。真っ向から振り下ろす直球は常時130キロ前半〜136キロを計測し、速球の力強さもあり、変化球の精度も悪くない。好投の佐久間に金田監督は「夏へ向けていろんな投手を試していました。野手に伝えていたのは、佐久間に勝ちを絶対をつけるんだぞと。こういう投球ができたのは大きいですね」と高く評価した。自信を深める試合にもなった。

 「良い冬の過ごし方ができたと思います」

 金田監督が語るように冬の練習では実戦練習、トレーニングと密度の濃い練習の日々を送っていた。冬の期間をしっかりと練習を積み重ね、大きくパワーアップに成功した。
次はの相手は國學院久我山。渡邊は「昨秋、負けている相手なので、絶対に勝ちたい」と意気込む。両チームとも大きく伸びている。ハイレベルな戦いが期待できそうだ。

(取材=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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