試合レポート

都立紅葉川vs都立目黒

2022.04.01

攻撃野球を掲げる紅葉川が、いきなり長打攻勢で主導権を握りコールド勝ち

都立紅葉川vs都立目黒 | 高校野球ドットコム
先制三塁打を放った紅葉川・松本

 江戸川区の臨海にある紅葉川は、江戸川区球場からは自転車で10分程度のところにある。いわば地元中の地元と言っていい存在である。
 「じゃんけんで勝ったとしても先攻を取るつもりでいた」という紅葉川。結果としてはじゃんけんで負けての先攻だったが、頭から点を取っていこうという攻撃野球は、思惑通りの展開でスタートした。

 初回、先頭の片桐が四球で出るとすかさず盗塁。1死後、松本の右翼線三塁打で先制。さらに4番田内が中前へバチーンとはじき返す中前打で2点目。続く佐藤 陽斗も右越え三塁打。これで目黒の加藤 晴彦監督は、早くも先発大澤を内野に下げて、外野から鈴木 大和をマウンドに立たせ、守備陣が大幅に動く。しかし、紅葉川はさらに津川の右犠飛でこの回4点。2回にも「本来はクリーンアップを打つ打者」という増子が調子を落として8番に入っていたが、左翼へソロを放ち復調の兆しを示す1発でなおも勢いづくと、続く小川も中前打。目黒はここで早くも3人目として三塁手の原が投げることになった。ベンチ入り13人とコマの少ない目黒は野手で回していくことにならざるを得ない。
 紅葉川は暴投でさらに1点を加えて、2回の段階で6点差の大量リードは、まさに高橋 勇士監督の思惑通りの戦い方となった。

 目黒は4回に2死から、鈴木大和の二塁打と続く8番宇佐美の中前打で1点を返すものの、結果的にはその1点のみということになってしまった。

 紅葉川は6回にも敵失から好機を得て片桐の右前打で1点を追加する。そして7回には打線が一気に爆発して、園山監督としては、クリーンアップを打ってほしいと願っている7番島津の中越え三塁打などで打者11人、4安打に四球に2つの失策もあって大量7点を奪った。その裏を右翼からリリーフした佐藤陽斗が1安打されつつも0に抑えてコールドゲームとなった。

 紅葉川の高橋監督は、「初戦なので、ちょっと不安もありました。だけど、攻撃野球としての姿勢は8割方できたのではないかと思う。試合の入りの勢いで相手を圧倒していくという姿勢でした。守りに関しても、自分の見立てとしては安打されても、点を取られなければと思っていた。取られたら取れた分を取ればいいとも思っていたけれども、松本はよくまとめてくれた」と振り返った。それに、馴染んでいる[stadium]江戸川球場[/stadium]での初戦となったということに関しては、「やはりラッキーでした」という思いでもあったようだ。

 安打数では、6回までは上回っており最終的にも紅葉川の11本に対して目黒は9本。ほぼ互角だった目黒。その割には、スコアは開き過ぎという印象でもある。加藤春彦監督は、「予選2試合でも点は取っているので、取り合いになるかなと想定していましたが…。本当は、ロースコアの試合をしていきたいんですけれども。安打は出ても、繋いでいかないと…」と、予想以上の得点差になってしまった様子だった。

 現在、全員で13人とマネジャー2人という陣容。新入生は「10人程度は入ってくれそうかな」ということで、夏へ向けて挑んでいく心積もりである。

(取材=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?