試合レポート

国士舘vs修徳

2019.11.02

国士舘、修徳の追撃から逃げ切る!7番・齋藤5打点の活躍

国士舘vs修徳 | 高校野球ドットコム
中西健登(国士舘)

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 大会もいよいよ準々決勝。そして、60年近くに渡り東京の高校野球の舞台であった[stadium]神宮第二球場[/stadium]での公式戦も、この週末だけになった。

 その第1戦は、前年秋の優勝校・国士舘に、伝統校の修徳が挑んだ試合になった。修徳の先発は、3回戦に続いて1年生の床枝魁斗。球威はあるものの、やや荒れ球の床枝が、四球でピンチを招くのは、いわば織り込み済み。1回、2回、3回と四死球でピンチを招きながら、国士舘に得点を与えないのは、修徳のペースと言える。

 それでも永田昌弘監督が、体型などを見て、高校に入ってから投手にコンバートさせた中西健登が、サイド気味のフォームからキレのある球を投げて、修徳に付け入るスキを与えない。

 先制したのは国士舘だった。5回裏、2番・伊藤優の当たり損ねの一ゴロが内野安打になったのに続き、3番・清水武蔵の右前安打、4番・黒澤孟朗の四球で満塁。5番・鎌田州真の遊ゴロで1点を先制する。6番・吉田健吾のセーフティースクイズは失敗したものの、なおも走者2人を置いて、7番・齋藤光瑠が左中間を破る二塁打を放ち、2点を追加。続く8番打者で先発投手でもある中西が右中間を破る三塁打を放ち、この回一挙4点を入れた。

 試合が動き出すと、修徳の反撃も始まる。6回表は無死一、三塁から3番・大澤太一が右中間を破る二塁打を放ち、2点を返す。しかしなおも続く無死二塁のチャンスで、得点を奪えなかったのが、修徳としては響いた。

 その裏国士舘は、二塁打の1番・折田大和を犠打と内野ゴロで還し、1点を追加すると、二死から、4番・黒澤の中前安打、5番・鎌田の四球、6番・吉田の右前安打で満塁となり、前の打席で二塁打を放った齋藤がセンターオーバーの三塁打を放って満塁の走者を一掃した。

 5打点の齋藤は、1回戦では2番打者。「齋藤は膝が柔らかい」と言う永田監督としては本来なら3番を打たせたい選手だ。7番打者とは思えない振りの鋭さで国士舘優位の展開に持ち込んだ。

 それでも修徳にも粘りがある。国士舘の先発・中西が、「疲れがありました」という8回表、修徳の1番・間島玉喜の四球、2番・19645の内野安打の後、3番・大澤、4番・中西陸の2者連続の適時打で2点を入れて追い上げる。それでもここから国士舘の中西は踏ん張り、8回はさらなる失点は許さず、9回表も三振2個を含め三者凡退に抑え、国士舘修徳の追撃を振り切った。

 追撃及ばず敗れた修徳であるが、先発の床枝、1番打者の間島など、伸び盛りの1年生が多く、伸びしろが大きいチームだ。

 国士舘は永田氏が監督に復帰してから秋は4年連続でベスト4。優勝した昨年と比べ「走れる子がいない」と永田監督は言うものの、打撃はむしろ上との評価。ただ勝ち抜いていくには、中軸の黒澤、鎌田あたりが本来の打撃を取り戻せるかどうかに、かかっているのではないか。

■日程詳細・応援メッセージ

秋季東京都大会


トーナメント表

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

(文=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.10

【香川】昨夏甲子園Vの慶應義塾を招待!春4強が迎え撃つ<招待試合>

2024.05.09

「指導者はどこにいる?」九里学園(山形)が 選手主体の”考える野球”で成果着々

2024.05.10

【宮城】5大会連続V狙う仙台育英は名取北と白石工の勝者と対戦、東北とは同ブロック<春季大会組み合わせ>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【関東】山梨学院と常総学院がそれぞれ優勝、出場校の対戦が確定<春季大会>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>