試合レポート

都立多摩vs獨協

2017.03.19

都立多摩が壮絶な打撃戦を制し、代表決定戦進出!

都立多摩vs獨協 | 高校野球ドットコム

主将としてチームを引っ張る久保(都立多摩)

 3月18日、春季東京大会一次予選が開幕。都大会を目指した熱戦が各地で繰り広げられた。[stadium]江戸川区球場[/stadium]で行われた都立多摩vs獨協の試合は激戦となった。

 部員9人に満たない都立多摩。今年は都立日野から部員を派遣してもらい、大会に出場をしている。都立多摩が最も強化してきたのが「打撃」。そのストロングポイントを発揮された試合となった。

 1回表、都立多摩は二死一、三塁から5番山本の左前適時打で1点を先制する。さらに2回表にも敵失の間に1点を追加し、3回表にも一死二塁のチャンスから7番中川海の中前適時打で3対0とする。
「最初は先制しても、落ち着きませんでしたが、序盤から点をとってだんだん落ち着いて試合運びができるようになりました」と主将の久保佑大が語るように、3回表、都立多摩打線が爆発。

 一死一、二塁から7番中川の適時打で1点を追加すると、9番山下が左翼線を破る適時二塁打、1番久保の犠飛、2番山崎の内野安打、3番小池の左越え適時二塁打も飛び出し、8対0と大きく点差を広げ、試合の主導権を握る。

 だが獨協も、5番山田の適時二塁打や押し出しなどで3点、さらに4回裏にも山田の適時三塁打などで3点を返し、8対6と一時2点差に迫るが、5回表、都立多摩の打撃の勢いは衰えず、打者10人の攻めで、一挙9点。これで、17対6と、5回コールド勝ちが近づいたと思われたが、5回裏、獨協も、打者13人の攻めで、一気に7点を返して、17対13と乱打戦に。

 大量点を喫した都立多摩だが、6回表も、打者12人の攻め、7得点を入れ、7回表にもさらに点を追加。なんと23安打25得点の猛攻、都立多摩が壮絶な打撃戦を制し、代表決定戦へ駒を進めた。

 率いる清水剛史監督は「本当によく打ちました」と選手をたたえた。都立多摩は練習時間の5割以上は打撃練習の時間に充てて、打ち込みを重ねてきた。清水監督が求めていたのは「量」ではなく、「質」だ。「量にこだわると、集中力がなくなってしまうので、短い時間でもいいので、1本1本をしっかりと振ること。打ち返すことにこだわりました」
 さらに筋力トレーニングもしっかりと行って、パワーアップに努めてきた。今年は打撃戦を制する試合が多く、1週間前の練習試合では9回まで0対9で負けていたが、9回表に10点をとって逆転勝利した。「ある程度、点を取られることは仕方ない」と清水監督が割り切っているように、自分たちの戦いを熟知している。

 翌日の代表決定戦へ向けて、主将の久保は「相手のミスで点を取らせてもらった部分があるので、1球1球を大事に戦っていきたいです」と意気込みを語った。

(取材・写真=河嶋 宗一

都立多摩vs獨協 | 高校野球ドットコム
注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?