試合レポート

藤枝明誠vs美濃加茂

2016.10.22

藤枝明誠、野手がしっかりと守って悲願の東海大会初勝利

藤枝明誠vs美濃加茂 | 高校野球ドットコム

藤枝明誠・久保田君

 今大会に17年ぶり7度目の東海大会出場を果たした美濃加茂、今年は春季大会にも出場を果たしている。高橋陽一監督としても、東海大会での実績も作っていきたいところであろう。一方は静岡県大会準優勝で、2年連続2度目の秋季東海大会進出となった藤枝明誠。「去年は、出るだけの東海大会でしたが、今年は勝つことを意識して臨みたい」と、静岡県大会準決勝を勝って出場を決めた際に、光岡 孝監督はそう言っていた。その思いは選手たちにももちろん伝わっている。
そんな両校の対戦、秋晴の好天に恵まれた[stadium]清水庵原球場[/stadium]での試合となった。

 藤枝明誠の久保田君は右サイドで身体を逆「く」の字のように折ってから、スイっと投げ込んでくる。スライダーにチェンジアップなどを使い分けながらの、緩急が持ち味とも言えよう。これに対して美濃加茂の池戸君は、左腕から力強く投げ込んでくる。スピードもあるが、やや制球に不安がある。

 美濃加茂はその心配がいきなり初回に出てしまった。藤枝明誠は先頭打者の常盤君を四球で出すとバントで送るなどで二死二塁とすると、4番清水君が右前打して走者を帰して先制点を奪う。さらに、藤枝明誠は5回にも、1番からの好打順を生かす。

 この回先頭の常盤君が中前打で出ると、初回と同様に松村君がバントできっちり進める。3番中田君は右前打して一三塁とすると、ここで清水君が右前打して三塁走者を帰す。さらに、一死一三塁となり、高田君の内野ゴロの間に、この回2点目が入った。これで試合の主導権は、藤枝明誠が握った形になった。

 しかし、美濃加茂もそのままではなかった。


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美濃加茂・池戸君

 その裏、先頭の會津君が左前打で出ると、バントで進み、二死となってから1番の小出君が中前打で帰して2点差とする。これで、美濃加茂としても反撃への勢いをつけたいところだった。

 ところが、逆に藤枝明誠の久保田君にスイッチが入ったようだった。6回は、3者三振で切って取った。これが、攻撃のリズムを呼んで7回、松村君が右前打で出ると捕逸の後にバントで進めると、二死三塁となり途中から5番に入っていた河合君の遊撃内野安打で三塁走者が帰った。9回にも藤枝明誠は、2四球でチャンスを貰うと、バントで進めた後、暴投で生還して決定的ともいえる追加点を挙げた。

 その裏。少し勝ちを急いだ感じのあった久保田君は、先頭から連続して死球を与えてしまい、ピンチを招くが、片島君の安打性の当たりを途中から中堅の守備に入っていた河合君が好捕した。これで再び久保田君は自分のリズムを取り戻して、最後は併殺でゲームセット。久保田君は9安打こそ浴びたものの、要所は締めて1失点。三振も8個奪っていた。

 光岡監督は、「組み合わせが決まってからは、池戸君対策として左打者が左投手をどう打つのかということに取り組んできました。練習試合でも可能な限り、左投手をお願いしました。特に1番(常盤君)と3番(中田君)が機能してくれました」と、成果が出せたことを喜んでいた。

 これで、まず目標だった東海大会の勝利を挙げることができた。そして、次は光岡監督の母校でもある中京大中京との対戦となった。「ウチはチャレンジャーですから、やりやすいと思います」と、ぶつかっていく意欲を示していた。

 岐阜県3位校として出場を果たした美濃加茂だったが、この試合に限っては流れとしてはいい形を作れなかった。

(文・写真=手束仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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