志布志vs沖永良部
「勝負するための人間性」を!・沖永良部
志布志はベンチ入り13人、沖永良部は12人。互いに20人に満たないチームだったが、人数不足を感じさせないほど引き締まった好ゲームだった。
好投したが惜しくも敗れた沖永良部・奥間卓斗
志布志・柿並潤弥(2年)、沖永良部・奥間卓斗(1年)、両エースの好投で5回まで両者無得点。
沖永良部は6回一死一三塁で、4番・池野翔(1年)がレフト前タイムリーを放って均衡を破った。奥間の好投で、沖永良部がそのまま逃げ切るかと思われたが、志布志は8回に1番・樫本章太郎(2年)の犠牲フライで同点に追いつき、試合は延長戦へ。
志布志は二死から9番・津曲拓弥(1年)がセンター前ヒットで出塁。四球と2つの暴投などで一三塁とし、最後は相手のエラーで熱戦にケリをつけた。
沖永良部は互角に渡り合いながらも、延長戦で無念のサヨナラ負けだった。
1年生左腕・奥間が好投し、先制点も奪った。緊迫した展開の中、守備もノーミスで踏ん張っており、このまま逃げ切れるかと思われた終盤に落とし穴があった。8回に同点に追いつかれ、延長10回は二死から連続四死球で満塁と勝ち越しのチャンスをもらうもあと一本が出なかった。逆にその裏、簡単に二死をとりながら、ヒットと2つの暴投でピンチを広げ、最後はエラーで勝ち越しのホームを許した。
「勝負するための人間性がまだまだ足りないということ」
前田直紹監督は厳しい現実を突きつける。酷な言い方かもしれないが、1点を争う勝負をものにするためには、心身ともにたくましさが必要だ。
10回二死満塁の場面で凡フライに倒れた6番・安田和樹主将(2年)は「チャンスで、力んでしまった。あそこで打っていれば最後のエラーもなかった」と悔しがる。
「普段の練習からランナーがいることをイメージして、試合で力が発揮できる練習を心掛けたい」と成長を心に誓っていた。
(文=政 純一郎)