高取国際vs十津川
高取国際が6回コールド勝ちで初戦突破
3回裏に先制打を放った瀧下彰人(高取国際)
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・第104回 全国高等学校野球選手権 奈良大会
<第104回全国高校野球選手権奈良大会:高取国際10-0十津川>◇17日◇2回戦◇佐藤薬品スタジアム
「緊張しているのが伝わってきました」と話した高取国際の松村泰毅監督。どんなチームでも夏の初戦は難しい。1回、2回と得点圏に走者を進めながらも相手の好守に阻まれて得点を奪えず、嫌な雰囲気が漂っていた。
それでも3回裏に1死三塁から3番・瀧下彰人(3年)の中前適時打で先制すると、続く4番・南優心(3年)も左中間を破る適時三塁打を放ち、追加点を挙げる。さらに5番・水野倫太郎(3年)の中犠飛でもう1点加え、リードを3点に広げた。
これで試合の流れをつかんだ高取国際は4回裏に3点、5回裏に1点を追加。投手陣も中垣慈恩(2年)と札辻大智(3年)がそれぞれ3回ずつを無失点に抑えて十津川に流れを渡さない。バックも無失策で応え、「守りで崩れなかったことは、1年鍛えてきた意味があったのではないかなと思いました」と松村監督は守備陣の頑張りを評価していた。
高取国際は6回裏に6番・山田晴地(2年)のスクイズで1点を加えると、最後は2死満塁から9番・髙﨑章太(3年)が右中間を破る2点適時二塁打を放ち、10点差としてコールド勝ちを決めた。
勝利した高取国際は3回戦で優勝候補の智辯学園と対戦する。「強い相手ですけど、引かないで押していけるように頑張っていきたいと思います」と主将の南は意気込んでいた。守りからリズムを作って、何とか競り合いに持っていきたいところだ。
敗れた十津川は正式な野球部員が6人しかおらず、助っ人5人を加えた11人で大会に出場。それでも随所に好プレーも見られ、「よく戦ってくれたと思います」と月出裕之監督は選手たちを労っていた。
学校のある十津川村では過疎化が進んでおり、月出監督によると、1年生の男子生徒は全体で9人しかいないという。絶対的な生徒数が少ないため、今後の単独出場も容易ではないが、諦めずに伝統を繋げてほしい。
(記事=馬場 遼)