試合レポート

日大豊山vs都立城東

2021.07.25

日大豊山が足技もさえて快勝、都立城東・林「もっと勉強したい」

 シード校・日大豊山と、都立屈指の実力校・都立城東が激突した。

 都立城東は今大会初先発となるエース・林 平太郎をぶつける。1年生秋から活躍し続けた大型左腕相手に、シード校・日大豊山は初回から仕掛けていく。

 1番・義金 大空が四球を選ぶと、2番・井原 亮介と3番・小川 慶人の連打で無死満塁とする。ここで4番・飯島 渉太の犠牲フライで先取点を掴むと、2回にも1点を追加した。

 3回に都立城東の2番・佐藤タイラーに一発を浴びて2対2の同点に戻ったが、ここからが日大豊山の真骨頂の発揮だった。
先頭の代打・谷口 友記のヒットを皮切りに、一死二、三塁とすると、3番・小川のタイムリーで2点を追加して4対2と勝ち越しに成功する。

 さらに5番・狩野 光晴のタイムリーに、「あの攻撃は痛かった」と都立城東・内田監督が話したダブルスチールで6点目を挙げて、日大豊山がリードを広げた。

 この攻撃については、「これまで結構やられた攻撃なんです」と日大豊山・福島監督は笑顔を交えながら、相手にやられた教訓から増やした攻撃だと説明する。

 こうした細かなプレーは、福島監督のなかで大事な攻撃手段の1つと位置付けているのだ。
「打つだけではないので。走力、点数力、出塁力など、攻撃力というと打つことだけと思われがちですが、野球は打つこと以外もしっかりやらないと試合になりませんので、その点は成長したところですね」

 また4回の集中の攻撃に関しては、「1番から9番までが役割を果たせば攻略できる。しぶとく打って打線で崩しました」と、打者1人ではなくチームとして、林を攻略していけたことに、福島監督は満足しているようだった。

 試合はその後、都立城東が5回に2点を返されたものの、2番手・足立 丈から森 耀太朗と、この試合3人の投手を繋いで反撃を防いだ。

 最後はダメ押しの2点を入れた日大豊山が8対4で制した。


 3投手による継投、そして組織的に相手投手を崩す。チーム力で都立城東を下した日大豊山は、5回戦で修徳と対戦する。小川は「守備からリズムを作って、ワンチャンスをつかめるようにしたいです」と意気込みを語った。日大豊山らしく投手中心とした守備から試合ん主導権を握ることが出来るのか。熾烈極める5回戦の戦いにも注目だ。

 一方で敗れた都立城東は、「成長したと思いますが、もっと練習できる期間があれば、チームとして成熟することが出来たと思います」と練習不足に内田監督は悔しさを滲ませた。そして1年生秋から主戦力で投げ続けた林は「調子は良かったですが、慎重になってカウントを悪くして、入れに行ったところを打たれました」と反省をしつつも悔しさを口にした。

 しかし都立城東での3年間を経て「メニューを自分で考えるなど、考えて行動できるようになったと思います」と高校野球での3年間を振り返った。その上で「今後も継続して配球とかトレーニングについてもっと勉強したいです」と高い探求心とともに、さらなる成長を語った。近い将来、再び林の名を聞ける日が来ることを楽しみにしたい。

(取材=田中 裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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