岐阜第一vs大垣商
岐阜第一が序盤のリードを守り切って、大垣商に昨秋の雪辱を果たす
岐阜第一・阪口 樂君
今春の岐阜県大会の準決勝は、2試合とも私学の強豪と公立商業校の対戦となった。そして、結果的には近年の県上位4強の内の2校の私学勢が勝ち残ったということになった。
この試合で対戦する両校は、昨秋の県大会でも準決勝で対戦している。その時は大垣商が勝っている。その再戦という形になった。
福知山成美を何度も甲子園へ導いた田所 孝二監督が異動してきて6年目となる岐阜第一。
「この間にベスト4進出の回数とかを見てみると、他の3校(中京、県岐阜商、大垣日大)よりも多いと思いますよ。そういう意味では、安定感はあるのかなとは思っていますが、実は決勝進出は初めてなんです」
この日の大垣商へのリベンジで決勝進出、ワンステージ上がったと言ってもいいであろうか。
岐阜第一は初回、四球の秋山君をバントで進めて、3番弘川君が左翼線に二塁打してこれで先制する。
同点とされた3回には、二死走者なしから失策と四球に阪口君のポテン安打などで満塁として、6番福井君が四球を選んで押し出しで再びリード。さらに、満塁が続くが、ここで大垣商の有賀 竜也監督は先発の速水君を諦めて、同じ左腕の背番号1をつけている谷口君を投入するが、その代わり端、7番浅野君が勝負強く中前へ落して、2者が帰った。
これで試合の流れとしては、岐阜第一が主導権を握っていく形になった。
岐阜第一は注目のエースで4番の二刀流、“大谷 翔平2世”と持ち上げるメディアもあるくらいの注目度の高い阪口君もある程度は余裕の投球となっていった。結果的には、13奪三振だった。田所監督も、「今日は、守って勝とうというゲームプランだったので、そういう意味ではイメージに近い形だったと言っていいでしょう。選手起用も、今日は守り重視で決めていきましたから、近代野球とは違って外野が3人下位打線に並ぶという形になってしまっていましたけれどもね(苦笑)。阪口に関しては、二刀流とか言われていますけれども、投げる時は案外打っていないんですよ。まあ、私としてはそれでもいいかなとは思っているんですが、本人は打ちたいんじゃないかとは思いますよ」と語っていた。
結果的には、岐阜第一は快勝と言ってもいいスコアになったが、「阪口が打って、ガツーンというのもいいかもしれませんが、こういう形でぐちゃぐちゃ行きながら点取っていくという方が相手も嫌でしょうし、今日は普段あまり使っていない二けた番号の選手が活躍できたのもよかった」と振り返っていた。
昨秋の準優勝校の大垣商は、決勝進出を逃したが、この日は先発の速水君から3人連続で左投手を起用していたが、有賀監督は都合5人の投手を投入した。それで何とか岐阜第一を交わしていこうとしたが、結果的には3回の二死走者なしからの3失点が大きく響いたという形になってしまった。
(文=手束 仁)