試合レポート

大宮東vs富士見

2013.07.11

屈指の好カード!大宮東、逆転で富士見に勝利!

 大宮東vs富士見の対戦。このカードもまた、一回戦屈指の好カードであろう。

 試合は大宮東中田浩貴(2年)、富士見森山一希(3年)と両左腕の先発でスタート。序盤は両エースが落ち着いた立ち上がりを見せ静かな展開となる。

 だが中盤、一気に試合が動き始める。
 4回裏だった。先制したのは富士見。この回先頭の上松裕己(3年)がセンター前ヒットで出塁すると、続く1年生の山崎大成(1年)がエンドランを決め無死一、三塁とチャンスを広げる。ここで相手のワイルドピッチで1点を先制すると一死後、同じく1年生の5番・橋本秀一がレフト越えの2ラン本塁打を放ち3対0とリードを広げる。

 一方の大宮東も黙ってはいない。6回表、一死から連続四球を選び一死一、二塁とチャンスを作ると、4番・小林竜也(3年)がセンター前タイムリーを放ちまずは1点を返す。さらに、続く中田祐貴(2年)もセンター前ヒットで続き満塁とすると、二死後、7番・一ノ宮謙太(3年)が押し出し四球を選び、1点差とし森山をマウンドから引きずり降ろす。
 2番手・松原紀徳(3年)がマウンドへ上がったところで、8番・高品航平(2年)は内野ゴロ。しかし送球エラーで、その間に走者が生還。大宮東がラッキーな形で4対3と逆転する。


 その後は大宮東・中田(浩)が立ち直りの気配を見せたこともあり、8回裏、最大のピンチを迎える。一死から4番・清水(3年)に死球を与えると続く橋本にエンドランを決められ一死一、三塁とされる。だが、きっちりと後続を抑え込み1点差で大宮東が辛くも逃げ切った。

 大宮東は、勝利はしたものの、初戦で富士見相手ということを差し引いても素直には喜べないであろう。結局、この日は富士見投手陣の前に4安打に抑え込まれた。
 今年は中田(浩)が軸のチームではあるが、大宮東のカラーを考えると、ある程度打線が活発にならなければ上位進出は見えてこない。気になるのはこの日右の長距離砲・大橋一駿(3年)がベンチを温めたことだ。代わりに入った1番・小野涼太(3年)も無念の途中交代となってしまった。それだけにクリーンアップがすべて左であり、この日左腕の森山に抑え込まれてしまったことを考えても、大橋の爆発がチーム浮沈の鍵を握っていると言っても過言ではないであろう。

 一方の富士見だが、大宮東の好投手、中田(浩)から相手の倍となる8安打を放つなど初戦で姿を消すには惜しい好チームであった。森山、松原の左右両輪に山崎、橋本の1年生コンビ。さらには、堅守のショートストップ、そして打ではリードオフマンの役割を担う小山倭誠(2年)などタレントは揃っている。一時は3点をリードしていただけに悔しい敗戦となった。

(文=南 英博)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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