渡邊雄太、田中浩康氏とOBが話題の尽誠学園高校
ここ最近、尽誠学園高校が熱い。同校のOBであり、NBAプレーヤーでもある渡邊雄太(グリズリーズ)がNBA公式サイトに取り上げられるほど、鮮やかな3ポイントシュートを決めたのだ。日本人では2人目となるNBAプレーヤーとして着実にキャリアを積んでいる。
日本野球界でも同校のOBが話題となった。卒業後に早稲田大学へ進学し、ヤクルト、DeNAで活躍した田中浩康氏だ。昨シーズン限りで現役を引退した田中氏だったが、学生野球資格の回復が承認され早稲田大のコーチに就任したのだ。ロッテなどで活躍した小宮山悟監督とともに東京六大学王者を目指すことになる。
春6回、夏11回の出場を誇る名門も現役は土肥ひとりのみ
土肥星也(尽誠学園-大阪ガス-ロッテ)
大学野球で指導者としての道を歩むこととなった田中とNBAで活躍する渡邊のふたりが、尽誠学園高校OBとして活躍している。その一方でプロ野球界ではどのような状況なのだろうか。
同校のOBで現役プロ野球選手は土肥星也(ロッテ)ひとりしかいない。土肥は同校卒業後に大阪ガスへと進み、2016年ドラフト4位でロッテへと入団した。
1年目から中継ぎとして18試合に登板するも初勝利を挙げることはできず、防御率9.31と「プロの壁」に苦しんだ。2年目となった昨シーズンは先発に転向しプロ初勝利をマークし、2勝1敗、防御率5.08と成績が向上した。今シーズンの起用法は明らかになっていないが、一軍での戦力になりたいところだ。
かつては田中をはじめ、伊良部秀輝(ロッテ他)、谷佳知(オリックス他)といった球界に名を残すような選手が輩出されていた。しかし、ここ最近は元気がない。
実際、甲子園への出場も2016年の全国高校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)以来遠ざかっている。白星をあげたのはベスト8まで勝ち進んだ2002年夏の甲子園まで遡らなければならない。今世代のチームも選抜高校野球大会への出場を逃しており、残すは夏の甲子園のみ。
春6回、夏11回の出場を誇る同校だけに、OBだけが話題となっているだけではやはり寂しい。今夏の甲子園に出場し、名門復活となることに期待したい。
(記事=勝田聡)