家から近いから?!高校進学にはたくさんの逸話やドラマがある
大阪桐蔭時代は83本の本塁打を放った中村剛也選手(西武ライオンズ)
年が明け2019年がスタートした。とは言え、「2018年度」はまだ2カ月半ほど残っている。1,2年生は新しい学年に向けた準備を進め、3年生は新しいステージに向けた動きが着々と進めている頃ではないだろうか。
さて、毎年この時期になると注目を集めるのが、中学生、高校生の進路の話題だ。特に近年では、「スーパー中学生」の存在が盛んにクローズアップされるようになり、その進路にも大きな注目を集めるようになった。
そこで今回は、プロ野球で活躍する選手の高校進学の際のエピソードを紹介していきたい。高校進学には、たくさんの逸話やドラマがあるのでご覧いただこう。
まず紹介するのは、中日ドラゴンズで復活を果たした松坂大輔投手だ。
ご存知の方も多いように、横浜高校で春夏連覇を達成した松坂投手だが、当初は帝京高校への進学を希望していた。しかし、中学の全日本代表に選ばれた際に、後に横浜高校でチームメートとなるメンバーに「お前がいれば甲子園に出られるから、横浜高校に来いよ」と言われ、松坂投手は横浜高校に志望校を変更したのだ。
また日本を代表する長距離砲として、第一線で活躍を続ける中村剛也選手も、進学の際に逸話を残した。大阪桐蔭時代には83本の本塁打を放ち、スラッガーとしてプロ入りを果たした中村選手だが、その進学理由は「家から近いから」という意外なものであった。
中村選手の自宅から、大阪桐蔭高校までは徒歩5分。これが進学を決意する決め手となったというから驚きだ。
2012年の甲子園と言えば、春夏連続で決勝戦の組み合わせが大阪桐蔭と光星学院となったことが印象的だが、当時の光星学院には田村龍弘選手(ロッテ)と北條史也選手(阪神)の3,4番コンビがいた。
二人は中学時代、ともにオール狭山ボーイズで(現大阪狭山ボーイズ)プレーしていたが、先に北條が光星学院への進学の意志を固め、「一緒に行こう」と田村を誘った。どの高校に進学するか、迷う田村だったが「史也と一緒やったら甲子園に近づける」という理由から光星学院に進むことを決めたのだ。
このように、高校進学には様々な逸話やドラマがある。今年の春には、またたくさんの球児が高校野球の舞台へと踏み出していく。彼らの逸話が、何年後かに出て来ることを楽しみにしている。
文:栗崎 祐太朗