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アスリートと歯の健康

2018.04.24

アスリートと歯の健康 | 高校野球ドットコム
虫歯はケガと同じ。早め早めに対応することが大切です。

 ケガをしたり、体調を崩したりすると、早め早めに医療機関を受診することが多いと思いますが、意外と見過ごされやすいのは歯の痛みや口腔内のトラブルではないでしょうか。ところが虫歯などをそのまま放置しておくと痛みだけではなく、野球のパフォーマンスそのものにも大きな影響を与えるので注意が必要です。

【虫歯になってしまうと治療するしかない】

 アスリートは筋肉を酷使して筋線維を傷め、それが修復されることで筋力強化につながりますが、歯は一度虫歯になってしまうとそのまま放置しておいても良くなることはありません。虫歯になってしまうと治療をする以外に選択肢はなく、治療を怠っているとやがて歯の神経にまで虫歯の影響が及んで抜歯しなければならなくなります。
 抜歯をしてしまうと同じ歯は二度と再生しないため、歯を失わないように日々歯みがきなどの口腔ケアを行い、虫歯にならないように気をつけること、また虫歯になった場合は早めに治療を行い、これ以上虫歯が進行しないように対応することが大切です。トレーナーの立場からしても口腔内のトラブルについては歯科医に委ねるしかないため、気がついた時点で歯科医院を受診するようにアドバイスします。

【歯の状態が悪いとパフォーマンスに直結する】

 虫歯の状態で痛みがあるときはプレーに集中することができないと思います。これはわかりやすい例ですが、この他にも歯の状態が悪く、たとえば虫歯で自分の歯を抜歯せざるを得なくなったときなどは歯の噛み合わせが悪くなり、フォームや身体のバランスが崩れて思うような筋力発揮が出来なくなることが指摘されています。虫歯の影響で片側のあごばかりで噛むようになると、顎関節(がくかんせつ)を痛めやすくなったり、左右のバランスに影響を及ぼすことも考えられます。

【プロテインやスポーツドリンクに含まれる糖分にも注意】

 アスリートは練習や試合中にスポーツドリンクを飲んだり、身体づくりのためにプロテインを摂取したりすることがありますが、こうしたものを摂取した後に口腔ケアを怠ると虫歯になりやすくなります。
 身体にとってエネルギー源となる糖質は必要不可欠なものですが、これが歯の隙間やくぼみなどに付着した状態が長く続いてしまうと口腔内のトラブルを起こしやすくなります。特に練習中などすぐに歯みがきが出来ないタイミングは、口の中をうがいするだけでも違ってきますのでぜひ覚えておきましょう。また就寝前にプロテインなどをとる場合は、その後に必ず歯みがきを行い、口の中に糖分が残った状態にならないように気をつけましょう。

 虫歯になったときは放置せず、早めに歯科医を受診することはもちろんですが、なるべく定期的に歯科医を受診して虫歯を未然に防ぐようにチェックしてもらったり、虫歯の程度が軽い間に処置してもらうことが大切です。

 

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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