試合レポート

横浜vs相模原

2014.04.21

横浜が準々決勝へ。県立相模は意地見せるもベスト8の壁を突破できず

 [stadium]保土ヶ谷球場[/stadium]の4回戦で横浜が登場となった。春の選抜甲子園に出場した横浜は今大会、予選が免除され、3回戦から登場し、川和を5対2で下して4回戦に駒を進めてきた。対するは、胸にKENSOのロゴ、「県相(ケンソウ)」の愛称でお馴染みの相模原。3回戦では百合丘を6対4で破り、いよいよ強豪校との対戦に臨む。気温は10.1℃と、やや肌寒いが、湿度65%、曇天のプレーしやすい気象コンディションである。

 先攻は相模原横浜の先発は、伊藤 将司でも日暮 圭一でもなく、背番号11、2年生左腕の春日井 静斗。1回表、横浜は、春日井が相模原の攻撃を三者凡退に終わらせた後、裏の攻撃で早速、相模原に襲いかかる。相模原の先発、新井に対し先頭の浅間 大基がセンター前に落ちるヒットで出塁すると、2番の戸堀がストレートで四球を選び、さらに3番川口 凌が頭に死球を受け、いきなり無死満塁。ここで4番高濱 祐仁はセンターにゴロで弾き返すタイムリーヒットを放ち1点を先制。さらに5番の根本 耕太がバントで送って二、三塁とすると、6番渡辺 佳明が高濱と同じような打球をセンター前に運んで、さらに2点が入り、3対0。続くバッターは7番高井 大地。高井も鋭いスイングで強いゴロをサードに放ったが、相模原はサード井口がガッチリ掴んで5、4、3の併殺に仕留め、失点を3に留めた。

 2回表、今度は相模原が、すかさず反撃に出る。4番今井がセンターフライに倒れた後、続く5番の佐藤がショートへの内野安打で出塁すると、6番塚原が三塁線へ鋭い打球を飛ばす。抜けたかと思われたが、横浜のサード川口が好捕。落ち着いてツーバウンド送球で一塁をアウトにし、二死二塁。ここでバッターは7番木村。ジャストミートした打球はレフトオーバーのツーベースとなって相模原が1点を返す。なおも二死二塁でチャンスは続き、バッターは8番振原。振原の打球は、塚原とは逆に、一塁線に鋭く飛び、これも抜けたかと思われたが、またも横浜はファーストの渡辺が飛び付いて掴み、自らベースを踏んでスリーアウト。鍛えられた守備で、これ以上の失点は許さない。


 ピンチを脱した横浜は、その裏、またチャンスを作る。二死から打順がトップに還って浅間がレフト前に2打席連続ヒットを放つと、牽制球の間に二塁に盗塁。ここで2番戸堀が右中間にタイムリーツーベースを放ち、4点目が入る。さらに3番川口が一、二塁間にヒット性の当たりを飛ばすが、ここは相模原のセカンド木村が上手く回り込んで捕球しアウト。この回は失点を1に留める。

 そして3回表、相模原は先頭の新井がセンター前ヒットでノーアウトからランナーを出すが、牽制でランナーを刺されてチャンスを潰す。一方、その裏、横浜は4番高濱がセンター前ヒットで出塁の後、続く5番根本の併殺打で、こちらもチャンスを潰したかに見えたが、続く6番渡辺の三塁線を破るツーベース、7番高井のセンター前ヒットと、二死からの連打で5点目を入れ、ジリジリと相模原を突き放す。

 相模原も4回、4番今井の四球、5番佐藤の、サードのグラブをかすめるヒットで走者一、二塁とし、6回も2番関、3番宮崎の連続ヒットで走者一、二塁とチャンスを作るも、いずれも併殺でチャンスを逃す。また7回も代打金子が痛烈な打球をライトに放つも、根本の好捕に阻まれ、無得点。横浜の先発、春日井はバックの堅い守備に支えながら、緩急を交え打たせて捕るピッチングで要所を締め、このまま5対1で相模原を下し、ベスト8進出を決めた。

 横浜にとって、今日の春日井の完投は大きなプラス材料だ。春の選抜でエース伊藤が打ち込まれただけに、先発の柱を増やすことは今後、神奈川の長丁場の大会を勝ち抜き、関東、そして全国で上位を狙う上で必要となるだろう。一方の相模原は、序盤の失点が最後まで響いた。しかし、大量失点をすれば早々に試合が決まってしまうピンチに堅い守りで失点を抑え、また先発の新井も4回以降は立ち直り、強豪の横浜相手に得点を与えず粘りの投球を見せた。 両チームとも守備が鍛えられており、引き締まった試合だった。

 勝った横浜は26日、ベスト4、関東大会出場をかけて第2シードの桐蔭学園と対戦する。

(文=松田祥二郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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