愛工大名電vs星城
５本塁打の大乱戦は愛工大名電の逆転満塁本塁打で決着
凄まじい試合となった。両翼95Ｍで、決して狭いという球場ではないはずの[stadium]豊田球場[/stadium]だが、両チーム合わせて５本の本塁打が飛び交い、そのうちの４本は８番打者９番打者の放ったものだった。「高校野球は、こういうこともあるものなんだ」と改めて思わせるような試合だったが、試合時間も３時間10分を越えるものとなり、試合終了時には時計は午後６時を回っていた。
先制点は星城で２回、先頭の８番南の右越本塁打。さらに、続く石黒も、思い切りのいいスイングでジャストミートした打球は左翼席へ飛び込んだ。８番、９番の連続本塁打である。
思わぬ形で動き出した試合は４回、愛工大名電は四球と失策などで一死満塁とすると、８番永井のタイムリーと９番の代打尾野のタイムリーでたちまち逆転する。さらに柳本の二塁打と西脇、後藤と連打があり、この回大量６点で愛工大名電が逆転した。
こうなるとさすがに自力で勝る愛工大名電の展開になっていくのだろうと思われた。
ところが、星城は４回から登板した愛工大名電の２人目森に襲い掛かる。４番木村が右中間へ二塁打すると藤田、河田と続いて１点を返し、バントで二三塁とすると、８番南のスクイズ失敗の後暴投で同点となる。さらに、南は森君の次の球を捉えると右越２ランとなり再逆転。さらに、３人目のエースナンバーをつけた秋山に対しても、１番谷村の二塁打に相手失策。さらには、一三塁からのディレード重盗も決まって取られた６点をすぐに取り返すというしぶとさ、粘りを示して、一挙に失った６点を返した。
これで試合は、再び星城２点リードという勝ちになったのだが、星城は５回は二塁打の木村をバントで進めて６番河田麻タイムリー、６回にも２番小林令和の中前タイムリーで加点していった。ここまでは、星城流れの試合展開だったのだが、７回、先頭の４番牛島が左越本塁打して流れを変えた。
愛工大名電はさらに四球と安井の中前打と四球で無死満塁となり、８番永井が捉えた初球は右翼スタンドに入っていき逆転満塁本塁打となった。星城の平林宏監督は、ここで２番手として５回から登板して好投していた池内を諦めて、３人目の右サイドの加藤を送り出した。
終盤は愛工大名電の秋山と加藤との投げ合いとなっていったが、一人でも走者が出るとどうなるかわからないぞという緊張感は常にあった。８回も名電はクリーンアップからの攻撃で後藤、牛島、堀内と３連打するが、星城の加藤投手はそこから踏ん張って、３人を抑えた粘りは立派だった。９回も一死一二塁という場面で３番後藤を６～４～３の併殺で切り抜けて、最後の味方打線の反撃を待ったのだが、二死一二塁までは攻めたものの反撃するというところにまでは至らなかった。
