中京大中京vs愛工大名電
強豪対決、重苦しい展開は７回、中京大中京が一気にケリ
このところの局地的大雨で、大会の日程が変更されている。前日に2会場で予定されていた愛知大会準々決勝は、1試合のみが行われ残りはこの日の[stadium]岡崎市民球場[/stadium]に変更された。
いよいよ準々決勝である。ここまでくると、いずれも好カードという印象になるが、両校のネームからしても、県内ではもっとも見たいカードの一つ。屈指の好カードとなって期待も高まった試合である。昨年夏は4回戦で当たり愛工大名電が7対1で快勝している。それだけに、中京大中京としては、雪辱もかけた戦いでもあった。
そんなカードは、試合前から重い空気が漂っていた。
そんな空気を振り払うように、中京大中京は初回二死二塁から不振だった4番鵜飼航丞が三塁線を破って先制した。中京大中京としては、主砲にやっと一本が出たのだが、その後はまた、この試合独特の重い空気に支配されていった。
どちらも、走者は出せるものの、なかなか本塁を踏めなかったが愛工大名電は4回二死走者なしから、尾野翔太が遊撃内野安打で出ると、続く向井悠人が左中間へ三塁打して同点。これで試合はイーブンとなり、空気の重さがさらに増していった感じになった。
次の1点がどうなるのかというまま、試合は終盤に突入していく。中京大中京の高橋源一郎監督は、ここまで好投していた磯村峻平から6回に香村篤史にスイッチした。
その代わり端、四球と安打、打撃妨害などでピンチを作ったが、何とか凌いだ。そして、7回は3人で抑えたが、その裏の中京大中京、1番からの好打順だったが、簡単に二死。しかし、3番澤井廉が中前打すると、鵜飼が四球で一二塁。続く、5番諸橋 駿が右翼フェンス直撃の三塁打で2者を帰し、ついに均衡を破る。さらに、谷村優太の二塁内野安打で1点を追加すると、この日起用されていた背番号15の鈴村 哲が当たった瞬間「行った！」と思えるような会心の一打で、右翼へ2ラン。
代打の都合もあって、8回から、中京大中京のマウンドには3人目の左スリークォーターの伊藤 稜が立った。9回に、愛工大名電は二死走者なしから、失策と死球で走者をためて、1年生の稲生賢二の中前打が出て、1点を返して粘りを見せた。しかし、最後は伊藤稜がしっかりと打たせて取った。これで、中京大中京は、優勝した年以来の2年ぶりのベスト4進出となった。
昨秋の県大会も優勝しているが、今大会も優勝候補に挙げられている本命が、いよいよあと2つ。着実にもてる力を示し始めている。
愛工大名電は先発室田祥吾、4回からは西脇大晴と2年生投手でつないでいったが、あと一つ踏ん張り切れなかった。
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