中越vs高田北城

　準決勝第2試合は、4強唯一の公立校・高田北城が、新潟私学の雄・中越と激突。2日前、延長戦の死闘を勝ち上がってきた両チームの対戦は、中越の強さが光る試合となった。

　高田北城はエース･幸村拓馬（3年）、中越は3本柱のひとりで左腕の山田吐夢（2年）の先発で始まったこの試合。

互いにランナーは出すものの要所を締める上々の立ち上がり。試合が動いたのは3回。中越は一死から1番・斉藤 海（3年）がショート強襲のツーベースで出塁すると、二死後、好調の3番・坂井翔太（2年）がレフト前に運び、1点を先制。

中越は続く4回にも二死から連打でチャンスを作り、1番・斉藤のセンター前タイムリーで1点を追加リードを2点に広げる。高田北城・幸村はここまで主戦として投げてきた疲労が色濃く、続く5回にも中越7番･石井太朗（2年）の2点タイムリースリーベース、8番・山田にもタイムリーを許し、5回途中5失点でマウンドを小林雅弥（2年）に譲る。

中越先発の山田は、ボール先行ながら、130km/h台中盤のストレートがコースに決まり、高田北城打線に的を絞らせない。4回、連打で一死一、二塁のピンチを迎えるも後続を併殺打に打ち取る。6回二死で85球、被安打2、無失点という投球でマウンドを降りる。中越は6回にも1番・斉藤のランニングホームランと、5番・小鷹葵（2年）のタイムリーで2点を追加。7対0とリードを広げる。

何とか一矢報いたい高田北城はコールド負けのかかった7回、意地を見せる。中越2番手の山本雅樹（2年）から、笠原圭（3年）、小川実（2年）の連打と送りバント、さらに四球で一死満塁のチャンスを作ると、ピッチャーからサードに回っていた9番・幸村の内野ゴロの間に1点を返す。高田北城は続く8回にも連続四死球でチャンスを迎えるが後続を打ち取られ、得点につながらない。

逆に中越は高田北城2番手・小林を攻め、四球とヒットでチャンスを作ると、最後は3番・坂井翔がセンターオーバーのタイムリーを放ち、ゲームセット。1対8、8回コールドで中越が決勝へ進出した。

敗れはしたものの、4強唯一の公立校・高田北城の応援席には在校生が一堂に介し、保護者とともに熱烈な応援を展開。1つのアウト、1つのストライク、1本のヒットを打つ度に割れんばかりの歓声があがった。試合終了後も、涙をぬぐう選手へいつまでの温かい声援を送っていたのが印象的だった。

（取材＝町井 敬史）

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