試合レポート

大島vs出水商

2016.09.27

大島、土壇場8回に集中打!

大島vs出水商 | 高校野球ドットコム

先発右腕・本田智揮(大島)

 鹿児島大島は3回無死満塁から併殺の間に先制する。

 4回、出水商は二死から4番・中村光太朗(2年)がセンターオーバー二塁打、5番・和田廉馬(1年)がレフト前タイムリーを放ち同点に追いつく。

 鹿児島大島はその裏、8番・盛山諒(2年)のセンター前タイムリーで勝ち越した。

 6回、出水商は一死一二塁で5番・和田がキャッチャー前にセーフティーバント。送球が打者走者と重なってそれる間に二走・有村悠冶(2年)が生還。6番・小出水颯大(1年)の犠牲フライで逆転に成功した。

 鹿児島大島は終盤8回に一死二、三塁の好機を作ると、8番・盛山がセンター前2点タイムリーで再び試合をひっくり返した。9回は粘投を続けた先発右腕・本田智揮(2年)が先頭打者を出したが、後続を絶ち1点差で競り勝った。

 「試合前から声もあまり出ていなくて、雰囲気が良くなかった」鹿児島大島の捕手・盛山は嫌な予感がしていた。
10人チームの出水商に苦しんだ。2回無死二、三塁、3回無死満塁、5回無死満塁…畳みかける好機は何度も作りながら、得点は3回の併殺の間の1点と、4回の8番・盛山のタイムリーのみ。守備では6回に2つの悪送球が絡んで逆転された。
「腕が縮こまってしまった」。失点のきっかけになる悪送球をした三塁手・太月幸(2年)は言う。打撃でも3、5回と好機に力んで打てなかったのを守備でも引きずった。チームの主軸でムードメーカーの不調がチーム全体に伝染し、重苦しい雰囲気が漂いかけた。

 7回から塗木哲哉監督は三塁・太月と一塁・瀬川海人(2年)の守備位置を入れ替えた。先頭打者に二塁打を浴び、これ以上失点したら、いよいよ再逆転が厳しくなる雰囲気の中、一塁方向に転がった送りバントの打球を、太月が素早く三塁送球してアウトを取った。
「一塁の守備は長いことやっていなくて不安だったけど、先輩たちがいた頃を思い出してうまく反応できた」と太月。ムードメーカーが立ち直ったことでチーム全体もようやく落ち着いた。
「狙うなら初球か、2ストライク追い込まれてからだ」終盤、逆転に向けて塗木監督が指示を出す。8回に送り出した打者は全て初球で仕掛けた。「投げている(本田)智揮がきつそうにしていたので、何としても点を取りたかった」盛山が執念で中前に弾き返し、土壇場で試合をひっくり返すことができた。

 反省点は多々あり、次に向けての修正点も多いが「8回はしっかり集中できていた」と塗木監督。
「最後は自分との勝
負。ミスがあってもしっかり自分を見つめ直して立ち直れた」ことを勝因に挙げていた。

(写真・文=政純一郎

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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