試合レポート

松山vs本庄第一

2015.07.24

松山が勢いそのままに本庄第一をコールドで退ける

 本庄第一にとっては悪夢のような一戦となった。

 埼玉松山、本庄第一と北部の強豪同士の一戦、先発は埼玉松山が北島佳太(3年)、本庄第一権藤聖人(2年)と両エース左腕が先発し試合が始まる。序盤は両先発がうまく立ち上がり無得点で迎えた3回、一つのエラーをきっかけに試合は大きく動く。

 埼玉松山は3回裏、この回先頭の北島のショートゴロを放つが、ショート柳澤直樹(3年)の一塁へ送球が悪送球となり、無死二塁とチャンスを掴む。続く清水凌(2年)はうまく送れず三振に倒れるが、一死後2番・滝島崇斗(3年)が右中間へタイムリー三塁打を放ち1点を先制すると、続く石井健太(3年)も右中間へタイムリー三塁打を放ち2点目を奪う。本庄第一としてはこれで切りたかったが、二死後、5番・川崎泰雅(3年)のショートゴロを今度はファースト田尻智紀(3年)が後ろに逸らしてしまい貴重な3点目が松山に入る。

 ここで須永監督が荒治療に出る。

 3回の守備でエラーをし失点に絡み、さらに次の回の攻撃で簡単にフライを打ち上げてしまった3年生二人主将で4番の柳澤と田尻をベンチに引っ込め代わりに吉岡大河(2年)、持田梨貴(1年)と1、2年生を入れる。これでグラウンドに3年生が3人だけというフレッシュな布陣となった。これがどう出るかと思って見ていたが、流れを変えるまでには至らなかった。5回裏またしても内野守備が乱れる。

 埼玉松山は5回裏、この回先頭の清水はセカンドゴロを放つが、今度はセカンド佐藤凌(3年)のエラーで出塁する。続く滝島はきっちりと送り一死二塁とすると、3番・石井が死球で出塁し一死一、二塁となった所で、もう一点も取られたくない本庄第一はピッチャーを右サイドの馬場龍大(2年)へスイッチする。


関連記事
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!埼玉県の野球部訪問を一挙紹介!
・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」

第97回全国高等学校野球選手権大会

  だが、頼みの馬場もやや周りに足を引っ張られた感はあるが踏ん張れない。二死を取るが、5番・川崎に対し、フルカウントから微妙な投球であったが判定はボールで歩かせ満塁とすると、続く鈴木武虎(2年)に三塁線への2点タイムリーを浴び5対0、さらに7番・和木優馬(3年)のサードゴロをサード福田慶仁(2年)がファンブルし6対0となる。さらに二死一、三塁から松山のダブルスチールに対し、一、二塁間の狭殺プレーが悪送球となり7対0となる。

 一方、埼玉松山の北島は大量リードにも気を緩めることなく、丁寧な投球を心がける。本庄第一打線に対し一つ一つアウトを重ね、結局7回参考ながらノーヒットノーランで締めくくる。

 埼玉松山が投打に本庄第一を圧倒し7回コールドでベスト8へ駒を進めた。

 埼玉松山はとにかくエース北島が安定している。打線もこの日はやや相手のミスに助けられた感があるが、要所で長打が飛び出すなど振れており万全の状態である。だが、次の相手は春季大会0対1で敗れた聖望学園である。相手のエース松本も好調を維持しているが、北島が前回の対戦同様の投球をすることができれば互角以上の展開が期待できる。

 一方の、本庄第一だが、この日はノーヒットに6失策と完敗であった。本庄第一らしくなくフライを打ち上げることも多くこれでは須永監督もお手上げであったのではなかろうか。幸いこのチームは権藤、馬場の両投手を含め1、2年生が多い。彼らがこの試合を糧にできるかは、今後チームとしての取り組みをいかに徹底できるかにかかっているであろう。

(文=南英博


関連記事
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!埼玉県の野球部訪問を一挙紹介!
・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」

第97回全国高等学校野球選手権大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

【秋田】秋田修英と秋田工が8強入り、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?