試合レポート

聖光学院vs青森山田

2011.10.12

聖光学院vs青森山田 | 高校野球ドットコム

聖光学院 岡野祐一郎投手

効いた初回の3点

 序盤、中盤、終盤と効果的に得点を挙げた聖光学院。投げてはエース岡野祐一郎(2年)が6安打2失点で完投。4年ぶりの決勝進出を決めた。

敗れた青森山田の美齊津忠也監督に「あれが大きかった」と言わしめたのが1回表の攻撃。今大会初先発のエース木村海斗(2年)に対し、1番の齋藤湧貴(2年)が初球をライト前に運ぶ。2番の平野雄馬(2年)は2球目をバント。これが内野安打となり、わずか3球で1、2塁とした。3番長井涼(2年)が一発で送りバントを決めて2、3塁とした聖光学院。4番の園部聡(1年)は6球粘った末、サードゴロ。抜群のスタートを切った三塁走者の齋藤を見て、サードの木浪聖也(2年)はバックホームを諦めて一塁でアウトを取るしかなかった。

見事な速攻で先制した聖光学院の攻撃は続く。6番安西聡(2年)が初球をライト前に運び2点目。すかさず盗塁を決めると、6番川合翔太朗(2年)のセンター前で3点目のホームを踏んだ。
スコアボードの1回表に灯る『3』の数字。青森山田サイドから見れば、完全に出鼻をくじかれた。

一方、聖光学院の先発はここまで一関学院東海大山形と2試合連続完封をしてきた岡野。この日は走者を背負うが、持ち味のテンポの良いピッチングで青森山田打線に得点を与えない。

この岡野が相手では、初回の3点が重すぎた青森山田。3回以降の3イニングは三者凡退と岡野のリズムはさらに良くなった。
5回、齋藤の初球センター前に続いて、平野が初球をきっちり送った聖光学院。3番の長井は2球目をレフトへ打ち返して4点目が入った。ここも早いカウントからの攻めに屈する形のなった青森山田は、木村を諦めて左腕の高田海(2年)を送った。


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聖光学院 齋藤湧貴

6回からは捕手を西村凌(1年)から南成実(2年)に、ファーストを川崎洸雅(2年)から岩田諭志(2年)に代えるなど、何とか流れを変えようとした青森山田。6回裏に、その南のタイムリーと5番木村の犠牲フライで2点を返すが、岡野は最低限の失点で踏みとどまった。

この6回裏のピンチの場面で主将の氏家颯俊(2年)を伝令に送った聖光学院の斎藤智也監督。氏家は斎藤監督のメモを手にマウンドに走った。
「打者の特徴や監督の指示でした」と話したマウンド上の岡野は珍しい伝令の形を話した。

8回、二番手の高田に代打を出していた青森山田は佐々木央(2年)がマウンドに上がる。しかし四球で走者を背負うなどし、すぐに左腕の三木彰雅(2年)にスイッチ。それでもタイムリーを浴びて痛い5点目を失うと、レフトに下がっていた木村をマウンドに戻した。
投手起用で完全に後手に回った青森山田陣営。ここまで投手5人で勝ち上がってきた青森山田と、絶対的なエース岡野で勝ってきた聖光学院の差がここで出た形だ。

9回にも1点を追加した聖光学院は、岡野が最後にこの日最速の137キロを出し打ち取るなど、終盤は危なげのない内容で決勝進出。
「オーソドックスに一つ一つ攻められた」と持ち味を発揮したことに斎藤監督も納得の表情。ただ、「春の選抜は選んでもらう立場。まずは神宮大会に行きたい」と決勝へ目を向けた。悲願の秋・初の東北頂点を狙う。

(文=松倉雄太)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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