試合レポート

広島新庄vs三次

2011.07.24

新庄、夏初のベスト8!藤川4安打

 最後の夏にかける熱い思いを体現した。
広島新庄の主将、藤川修平が4安打を放ち、チームを夏初めてのベスト8へ導いた。

初回2死から、ライト線を破る三塁打で出塁。一、三塁後には一塁走者が飛び出したのを見て、タイミングよく三塁ベースからスタートを切って先制の本塁を陥れた。
その後も二塁打2本にシングル1本で計4安打。さらに三回には無死一、二塁から犠牲バントをファーストストライクで決め、大量1イニング6得点につなげる役目を果たす。
打点こそなかったものの、チャンスメーカーとしての役割を果たした。シード校・広島商を破って快進撃を続ける三次の勢いを止めた。

1年夏から「3番・ショート」で出場を続けてきた。
「今は1つずつ勝ち上がることが大事です。自分たちの野球はできていると思います。うまくいっています」と自身よりもチーム全体の力での勝利を強調する。
過去、秋季大会では優勝、準優勝を1度ずつ経験している広島新庄も、夏は意外にも初のベスト8進出だ。
「先々は見ない。1つのプレーを大切にしたいです」と気を引き締めていた。
広島商監督時代に岩本貴裕(現・広島)を擁して甲子園に導いた迫田守昭監督も広島新庄に監督就任してからは一度も甲子園経験がない。
「1年から使い続けているのだから、これくらい打ってもらわないと困る」と主将には厳しいが、これも期待の裏返しだ。

過去、広島新庄は投手陣が好投しても得点を奪えずに早い段階で敗れることが多かった。
2年前にも好投手・六信(むつのぶ)慎吾(現・法大)を抱えながら、完封負けを喫して初戦で敗れた苦い経験がある。
今年のチームを迫田監督は「打つ方に関しては4、5点を取ることができるチーム」と話す。過去と異なり、打撃面には自信のあるチームだ。
練習試合では、秋季広島大会で優勝した尾道、センバツ出場して春季広島大会で優勝した総合技術にも勝ったことがある。特に昨年10月に対戦した総合技術にはコールド勝ちするほどの打線の破壊力を持つ。
投手陣も制球に自信のある先発・甲田晃土井康平の他に、背番号「1」を背負う波多野雄大が右ひじ痛から今夏に復帰した。
1年生左腕・田口麗斗も加わり、全体の安定感が増してきた。投打がかみ合ったとき、広島新庄は念願の甲子園に立つときがやってくる。まだ見知らぬ舞台への希望がふくらむ試合だった。

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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