広島東洋、98年、00年世代の新戦力で活発化
高校時代の高橋 昂也(花咲徳栄)
今シーズンも新戦力が躍動している。なにも新戦力というのは、佐藤 輝明(阪神)や早川 隆久(楽天)といった新人、梶谷 隆幸(巨人)や近藤 弘樹(ヤクルト)といった移籍選手、そしてオスナ(ヤクルト)やスモーク(巨人)といった新外国人だけではない。
昨シーズンまでは一軍での戦力となっていなかったが、今シーズンに入ってからブレイクしつつある選手も複数いる。在籍2年目以降の”新戦力”を各球団ごとに紹介したい。
広島は昨年のドラフト上位で指名した栗林 良吏(1位/トヨタ自動車)、森浦 大輔(2位/天理大)、大道 温貴(八戸学院大/3位)と新人の3投手が、開幕一軍入りを果たしブルペンを支えている。とくに新人ながら守護神に抜擢された栗林は、16試合連続無失点とまさに即戦力の働きを見せている。
一方で先発投手では高橋 昂也が頭角を現してきた。高橋 昂也は2016年ドラフト2位で指名を受け、花咲徳栄高から広島へと入団した左腕。今年が高卒5年目となり、大卒出身の森浦と大道とは同学年になる。春日部共栄高出身の大道とは2016年夏の埼玉大会で顔を合わせたライバルでもあった。
そんな高橋 昂也は2年目に一軍で6試合に登板したものの、3年目にトミー・ジョン手術を受けたことで一軍登板から遠ざかっていた。しかし今年4月18日に3年ぶりに一軍のマウンドに登ると白星こそつかなかったものの、5回無失点と好投。2戦目となった4月24日の巨人戦では6回途中3失点(自責2)の内容で白星を掴み取った。その後も登録抹消されず一軍に残り、大瀬良 大地、野村 祐輔ら実績者が不在となった先発ローテーションの一角に加わった。
野手では神村学園高出身の高卒3年目・羽月 隆太郎の成長が著しい。三塁・中堅と2つのポジションで起用され20試合に出場。打率.310(58打数18安打)、1本塁打、6打点、5盗塁と結果を残している。昨シーズンは17試合の出場で、打率.182(33打数6安打)だったことを考えれば大躍進だ。4月25日の巨人戦以降は欠場した1試合をのぞき、菊池 涼介の後ろとなる2番で起用されている。そのことからも首脳陣の期待の高さがうかがえる。
2016年からの三連覇以降は少し停滞している感のある広島だが、投打ともに新しい選手たちが育ちつつある。頭角を表してきた若鯉たちの今シーズンに注目が集まる。
<2021年シーズン成績>
高橋 昂也(広島)
3試合 1勝1敗 16.1回 奪三振13 防御率1.65
羽月隆太郎(広島)
20試合 打率.310(67打数18安打) 1本塁打 6打点 5盗塁
※数字は2021年5月13日終了時点