東京学館vs千葉黎明
佐々木朗希型フォームで140キロ!東京学館・牧が2試合連続完封勝利でベスト8!
佐々木朗希のように足を上げる牧投手
<春季千葉県大会:東京学館1-0千葉黎明>◇3回戦◇29日◇千葉県野球場
東京学館は下級生の時から登板し、144キロ右腕の田中 千歳投手(3年)が注目されている。しかし、先発したのは2回戦まで167球を投げている右腕・牧 航汰投手(3年)だった。
牧は躍動感のある球を投げ込む。ロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡高出身)の動画を見て、参考にしていると話す牧は、左足を高々と上げて、勢いよく踏み込んでいき、テークバックはコンパクトにとって勢いよく振り下ろすオーバーハンドだ。
常時130キロ〜136キロ程度だが、力を入れた時は、130キロ後半で最速は140キロを計測。110キロ前半のスライダー、カーブ、スプリットなど縦横の変化球は手元で鋭く落ちる。成田シニア時代は3番手だったが、市川監督に素質の高さを見出され、東京学館に入学。投球フォームに微調整を加え、現在のフォームに行き着いた。さらに前年のエース・根本 匠投手から教わったスプリットをマスター。決め球の1つとなった。
要所を締める投球で、千葉黎明打線を被安打5、9奪三振に抑え、2試合連続の完封勝利を挙げた。まさに獅子奮迅の活躍だ。牧は「ストレート、変化球もしっかりと腕を振ることを意識していましたので、それが実践できてよかったです」と喜んだ。これまで秋は田中に頼ったところはあったが、完封勝利の牧と背番号1の山﨑 正太投手(3年)が浮上し、今年の強みとなった。市川監督は「牧の成長は大きいですが、捕手の鈴木(翔太)のリードも大きかったです。バッテリーの力で完封ができたと思います」とバッテリーの成長を称えた。
さらに、1学年上の先輩・粟飯原 龍之介内野手(DeNA)の練習に取り組む姿勢に刺激を受け、同じ成田シニア、佐原中出身ということで、関係も深い牧は、在学中、粟飯原からアドバイスも受けてきた。
新チーム当初は厳しい評価をされていた今年のチームだが、ベスト8まで駆け上ったのは選手たちの努力が大きいだろう。次は県内トップクラスの戦力を誇る市立船橋だ。
[page_break:必殺スライダーの切れ味は高校生レベルを超越!千葉黎明の大型右腕が14奪三振の快投]必殺スライダーの切れ味は高校生レベルを超越!千葉黎明の大型右腕が14奪三振の快投
伊東賢生投手
<春季千葉県大会:東京学館1-0千葉黎明>◇3回戦◇29日◇千葉県野球場
千葉黎明の伊東 賢生投手(3年)は、下級生の時から評判の好投手だったが、1歩ずつ成長している感はある。千葉西シニア時代はサイドだったが、高校進学時に最も力が出るポイントを見つけた結果、サイド気味のスリークォーターとなった。鋭く腰を回転させた投球フォームから繰り出す常時130キロ前半〜138キロの速球にはキレがあり、ややスライド気味に変化する球もあり、何より120キロ前半のスライダーの精度の高さは高校生のレベルを超えている。打者の手元で急激に変化する精度の高さはかなり脅威だ。スプリット、カットボール、カーブなども駆使し強弱のある投球もでき、かなり実戦的だ。
昨年12月から監督に就任した中野大地監督も完成度の高さ、変化球の精度の高さを評価する。
伊東は昨秋の県大会が終わってから体づくりに励み、補食の時間を増やし、秋の時点では70キロだったが、現在は80キロまで増量。183センチ、80キロまでレベルアップを遂げた。この日は初回から奪三振ラッシュ。3回表に野選で1点を取られてしまったが、その後は無失点投球を続けた。
「こういう試合で勝たないといけないと思いますが、自分の投球は最低限できたと思います」と振り返った。
夏へ向けて意気込みを語った。
「まだストレートの最速は140キロ前後なので、もっとパワーアップをしていきたいです」
シャープに体を使える大型投手。しかも緩急を使える投球ができる。
最近はサイド気味にキレのあるストレートを投げられる投手の需要は高まっている。さらに出力が高まれば、人気投手となりそうだ。
(記事=河嶋 宗一)