錦江湾vs松陽
期待と信頼に応える
錦江湾が延長12回、2時間44分及んだ松陽との死闘に競り勝った。
宮永賢治(3年)と福永成一郎主将(3年)のバッテリーが文字通り勝利の原動力になった。
前日の練習までは調子が上がらず、中村敦監督は先発を別の選手に代えようか悩んだが、福永主将の「エースが投げて負けたならみんなも納得する」のひと言で宮永の先発を決めた。宮永もその期待と信頼に応える気持ちを込めてマウンドに上がった。
鹿児島松陽とは、これまで鹿児島市内大会や練習試合で何度か対戦している。大差で負けたこともある相手だったが「低めを丁寧に突いて、制球に気をつけて、攻める気持ちを忘れなければ抑えられる」と確信していた。12回を1人で投げ抜き、丁寧な投球は最後まで崩れなかった。
延長12回の決勝タイムリーを放ったのも宮永だった。チームに左投手がいないため、今でもマスターズ高校野球で投げている中村監督が試合まで4日間、打撃投手を毎日務めた。
「監督が投げてくれたから左投手のイメージができた。鹿児島松陽の西別府君よりも、監督の方が怖いと思えるぐらいだった」と宮永は監督の献身に感謝した。
(文=政 純一郎)