福岡大大濠vs東福岡
村田本塁打ホームイン(福岡大大濠)
田淵幸一を彷彿させる、ホームラン・アーチスト、村田陸
田淵幸一(元阪神、西武):現役時代、長く大きく美しい放物線本塁打で、「ホームラン・アーチスト」と呼ばれる。法政大学時代は、俊足でならし、若き阪神時代は、俊敏・強肩の捕手。体躯の特徴は、長足。表裏のない性格でも知られる。
村田陸(福岡大大濠1年・捕手):田川市立後藤寺中学時代、クラブチームの嘉麻バーニングヒーローズに所属。練習試合にて、九州6大学野球連盟所属の西南学院大学速球派エース・八木修平(当時3年・武蔵台高)から、本塁打を放つ。地元スポーツ紙の西日本新聞の見出しになり、一躍有名に。俊足、俊敏、強肩。長足で、疾駆する姿は、美しく、捕手のイメージなし。真面目な性格で、中学時代は、生徒会長をつとめ、1年チームの主将でもある。
福岡南部の1年好左腕・森から放った左越ホームランは、美しい軌道を描き、フェンスを越えた。田淵幸一との数多き共通点、「ホームラン・アーチスト、村田陸」が輝いた瞬間だった。
菊地(福岡大大濠)
2010年3月7日、福岡・筑豊地方の球場にて、この逸材を発掘。元独立リーガー中江信の球を受ける大型捕手(185センチ、81キロ)が、中学3年と聞き、耳を疑った。中学生ながら、大人に混じってプレイしている感覚がなかったことを、鮮明に思い出す。そして、高校になり、本日で2試合目の観戦。その成長ぶりは、期待にたがわぬものだった。
強豪校が激突の準決勝、見ごたえのある試合だった。村田が、高めのストレートを軽く一振りのレフト前ヒットにて、2塁打の田口が先制のホームイン。その後、福岡大大濠・右腕、菊地と、東福岡・右腕、野原-左腕、森の本格派の緊迫した投手戦で、試合は淡々と進む。
その均衡を破ったのは、「ホームラン・アーチスト、村田陸」だ。ミートして軽く振りぬくと、打球は、弾丸でもなく、滞空時間の長い大飛球でもない。見るも美しき放物線を描く。その後は、両チームにて、点を取り合うも、力投派の菊地の好投で逃げ切った。両チームの投手陣の投球は、テンポよく、1時間40分あまりの、引き締まった試合だった。
(文・撮影=PN トマス)