スクリーンタイムを見直そう
スクリーンタイムが長くなると野球のパフォーマンスに影響を及ぼすかも
スマートフォン(以下スマホ)は生活に必要なインフラとして多くの人が所有するようになりました。選手の皆さんも普段からスマホをよく見ているという人は多いのではないでしょうか。一方でスマホを長時間使用すると、野球のパフォーマンスにも少なからず影響があると言われています。スマホやパソコンなどの画面を「見る」「使う」時間のことをスクリーンタイムと言いますが、普段どのくらい画面を見て、使っているかをそれぞれのスマホ機種で確認しておくことも大切です。スクリーンタイムが長くなるにつれて、影響を受けやすいものを挙げてみましょう。
●視力の低下(静止視力・動体視力など)
連続使用するとまばたきの回数が減るために、目が乾燥した状態になります。また一定の距離を保ったまま画面を見続けると、ピントを調整する目の筋肉が硬くなってしまい、ピント調整がうまく働かずに「手元が見えにくい」「視界がぼやける」といったことが起こる場合もあります。「静止視力」だけではなく、アスリートに必要不可欠な「動体視力」にも悪影響を及ぼすことが考えられます。
●判断力の低下
野球では視覚から情報を得ることが多いため、目の動きが悪くなるととっさの時の判断にも影響を及ぼします。またスクリーンタイムが長くなると文字や映像から得られる情報処理が追いつかなくなり、脳を疲弊させて思考や判断を司る脳の前頭葉部分がうまく働かなくなることも指摘されています。
●睡眠の質低下
特に就寝前に画面を見続けるとスマホから発せられるブルーライトによって脳が覚醒してしまい、スムーズな入眠を妨げる要因となります。睡眠時間が減るだけにとどまらず、睡眠を取ったとしても「熟睡した感じがしない」「朝スッキリ起きることができない」といった睡眠の質低下にもつながります。睡眠不足はコンディションを低下させる要因の一つです。
●肩こりやゆがんだ姿勢
目を酷使することによって目の周辺部だけではなく、首や肩の筋肉が緊張するようになります。あまりにも筋肉が硬くなると筋緊張性の頭痛を引き起こすこともあります。またスマホと目との位置関係が悪く、首が下を向いてしまうような姿勢もまた首・肩周辺部の筋肉が硬くなりやすくなります。腕を上げて投球動作を繰り返す野球選手としては、肩や首周辺部にある筋肉の動きが悪くなるとパフォーマンス低下に直結しやすくなります。
日常的なスマホの使用がすぐに大きな問題となることは考えにくいですが、スクリーンタイムが長くなるにつれて野球のパフォーマンスに影響を及ぼすことが懸念されます。長時間連続して使用せず、休憩をとることや、普段からどのくらいスマホを使っているのかをときどきは確認して、スマホの使い方を見直すようにしてみましょう。
文:西村 典子
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