寒い時期のウォームアップは念入りに!様々な要因を見てみよう!
全体練習の最初にロング走を行うことも身体を温める一つの方法
寒い時期のウォームアップを考える
野球のシーズンもほぼ終盤に近づき、夕方からの練習では寒さを感じる時期となってきました。身体が冷えた状態のまま、技術練習に入ってしまうと筋肉の柔軟性や関節の可動域(動く範囲)が十分に得られず、ちょっとした動作でケガをしてしまうことがあります。ケガを予防し、パフォーマンスを高めるために必要不可欠なウォームアップは夏の時期と冬の時期とでは冬の方が身体を温めるのに時間がかかるため、その内容も変わってきます。寒くなってくるにつれてウォームアップはより念入りに行うことが大切ですが、どのようなことを考慮して組み立てていけばよいのか考えてみましょう。
【外的(環境)要因について】
季節、天候、気温、風などの自然環境や、ウォームアップを行う場所、練習や試合開始までの時間といった主に環境による要因があります。寒い時期は軽くジョギングを行い、身体を温めてからダイナミックストレッチなど動きを伴いながら筋肉や腱を伸ばすようにします。座って行うストレッチは気温や風などによって身体が冷えやすいのでなるべく立った状態で行いましょう。グランドで行う場合とアスファルトなど路面の硬い場所で行う場合でも違ってきますが、特に下肢や腰などに不安部位のある選手はこうした路面の硬さを考慮してウォームアップを行う必要があります。
【内的(個人的)要因について】
これは個人個人によってウォームアップにかける時間やパターンが変わってくることを指しています。特に以前ケガをして不安部位を抱えている選手は「身体が温まってくるとケガをした部位の違和感や痛みを感じなくなる」ことを経験したことが多いと思います。この状態になるまでに時間がかかる場合は、チーム全体でのウォームアップとは別に個人で身体を動かす、ストレッチを行う等の準備が必要となってきます。
【チーム要因について】
全体で行うチームのウォームアッププログラムを理解しておきましょう。特に夕方からの練習の場合、ウォームアップにかける時間が短かったり、そもそもウォームアップを個人に任せて全体練習から入る場合もあります。オフシーズンでは身体づくりとウォームアップを兼ねて、トレーニング要素(自重トレーニングや腹筋・背筋など)を取り入れつつ行うことも一つの方法です。
こうした要因を考慮し、寒い中でも身体が十分に温まるウォームアップを行うように心がけてくださいね。
文:西村 典子
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