パフォーマンスアップにつながる増量計画
パフォーマンスアップにつながる増量計画
甘いものを食べすぎると体脂肪が増える原因ともなる
野球を行っていく上で「体重を増やしたい」「身体を大きくしたい」という選手は多いと思います。なぜ身体を大きくしたいかといえば、より力をつけてパワーアップした打球を飛ばしたい、投球のスピードアップにつなげたいと考えるからではないでしょうか。もちろんそのために身体を大きくすることは大切ですが、身体を「何で」大きくしたいのかを改めて考えてみましょう。
体重計に乗って重さが増えることを目的とするのであれば、消費カロリーを上回るだけのカロリーを摂取すれば体重は増えます。ただし野球の技術向上のためにパワーアップしたいと考えるのであれば、体重が増えた「中身」が何であるのかを理解しておきたいところです。水分をたくさん飲んでも体重は増えますし、お菓子や甘いもの、手軽に食べられるファストフードなどでも食べる量を増やせば体重は増えます。増えた体重の中身が水分なのか、それとも脂肪分なのか、筋肉なのかということがとても大切になってきます。
野球選手の場合、やはり筋肉量を増やすことが筋力アップにつながり、パフォーマンスに直結すると考えられます。筋肉量を増やすためには食事の内容を見直し、タンパク質を含んだ栄養バランスの良い食事になっているかどうかを確認しましょう。タンパク質は筋肉の材料となる栄養素であり、肉類・魚類・卵などの動物性食品のほかに、乳製品や豆類など植物性食品にも含まれます。
また栄養分があっても筋肉はトレーニングを行い、筋線維の破壊と修復を繰り返すことを行わないと筋力アップにはつながりませんので、食事とともに練習やトレーニング内容もしっかりと計画立てて行うことが大切です。
糖分を多く含むお菓子や栄養バランスに偏りがあるファストフードでは、必要なタンパク質が十分に確保出来ないばかりではなく、脂肪分などを多く含んでいます。脂肪は身体を動かすエネルギー源の一つですが、たくさん摂りすぎると体内に体脂肪として貯蓄されます。身体を大きくしても脂肪量ばかりが増えてしまうと、身体は重りを背負ってしまうようなものですので機敏な動作ができなくなり、膝や腰、足首などの荷重関節にも大きな負担をかけるようになります。
体重計に乗って身体を重くすることは大切ですが、野球の技術向上につながるよう、筋肉量を増やすことを念頭において日々の生活を心がけましょう。
文:西村 典子
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