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高卒組は小園がダントツ、藤原&根尾は来季か、吉田は苦戦~18年ドラ一の今

2021.11.03

高卒組は小園がダントツ、藤原&根尾は来季か、吉田は苦戦~18年ドラ一の今 | 高校野球ドットコム
広島東洋カープ・小園海斗(報徳学園出身)

 2021年レギュラーシーズンが終了した。今年も多くの若手が成長を見せ、来季へ向けてのステップを踏んだ。一般的にはよく「3年は我慢して使う」「高卒野手は5年がメド」などの声を多く聞くが、プロ3年目というのはひとつの節目となる。それまでにブレークできるかどうか。5年目に向けてのさらなる成長を占う意味では「プロ3年目」は重要に思える。

 今季3年目だった選手は18年ドラフト入団組。12球団の当時の顔だったドラフト1位選手は3年目を迎えた今季の成績はどうだったのか。改めて主な成績を並べてみたが、多くの選手が飛躍を見せていた。

★野手
阪神・近本光司外野手(ー関学大ー大阪ガス)
140試合 569打数 178安打 10本塁打 50打点 24盗塁 打率.313
楽天・辰己涼介外野手(ー立命館大)
130試合 374打数 84安打 10本塁打 32打点 6盗塁 打率.225
広島 小園海斗内野手(報徳学園
113試合 449打数 134安打 5本塁打 35打点 4盗塁 打率.298
ロッテ・藤原恭大外野手(大阪桐蔭
78試合 217打数 47安打 5本塁打 22打点 7盗塁 打率.217
中日・根尾昂内野手(大阪桐蔭
72試合 169打数 30安打 1本塁打 16打点 0盗塁 打率.178
オリックス 太田椋内野手(天理
53試合 151打数 26安打 3本塁打 9打点 1盗塁 打率.172

 大学・社会人出身では、阪神近本は1年目からレギュラー。中心選手としても3年目となったが、安打、本塁打、打点でキャリアハイをマークし、打率も初めて3割をマークした。特に142試合に出場した1年目に110も喫していた三振数が今季は140試合出場で58に激減したのもひとつの成長だろう。同じく1年目から124試合に出場していた楽天辰己も数字的には大きな飛躍ではないが、試合、打数、安打、本塁打、打点でキャリアハイとなった。

 高卒組では小園が飛躍を遂げた。1年目から58試合に出場するなど活躍したが、2年目はわずか3試合にとどまった。悔しいシーズンを糧に今季につなげたのだろう。すべての数字が過去最高で、惜しくも大台は突破できなかったが終盤戦は3割到達へ必死にバットを振っていた。

 甲子園春夏連覇の大阪桐蔭の中心だったロッテ藤原、中日根尾も飛躍的に1軍出場試合が増えたことで成績も伸びた。藤原は打率以外はキャリアハイ、根尾は盗塁、打率以外で過去最多となった。オリックス太田は昨年からブレークの予感はあったが、数字では今季は打率以外は自己最多(本塁打は最多タイ)の成績を残した。この3人は現時点で「同期」の小園に先を越されているが今年がジャンプ目前のシーズンだったと思えば、来季以降にどこまでブレークできるか楽しみだ。

★投手
ヤクルト・清水昇投手(帝京ー國學院大)
72試合 3勝6敗 50ホールド 67.2回 74奪三振 18自責点 防御率2.39
巨人・高橋優貴投手(東海大菅生ー八戸学院大)
27試合 11勝9敗 140.2回 76奪三振 53自責点 防御率3.39
西武・松本航投手(明石商ー日本体育大)
28試合 10勝8敗(1完封) 149.2回 130奪三振 63自責点 防御率3.79
DeNA・上茶谷大河投手(京都学園ー東洋大)
8試合 1勝3敗 34回 26奪三振 27自責点 防御率7.15
ソフトバンク・甲斐野央投手(東洋大姫路ー東洋大)
22試合 0勝2敗 4ホールド 20.2回 25奪三振 10自責点 防御率4.35
日本ハム・吉田輝星投手(金足農
1試合 0勝1敗 2回 2奪三振 2自責点 防御率9.00

 なんといっても、今季ヤクルト優勝の立役者といっても過言ではない清水の活躍が目を引く。セットアッパーとして君臨し登板試合、ホールド、投球回数、防御率と過去最高の数字をマークした。1年目11試合、2年目52試合、3年目72試合と試合数と比例するように今年の数字につなげた。

 巨人の高橋と西武松本はローテーション投手として活躍し、ともに2ケタ勝利。試合数、投球回数とともに自己最高となった。DeNA上茶谷とソフトバンク甲斐野は1年目にブレーク。上茶谷は25試合登板で7勝(6敗)した。甲斐野は13試合連続無失点の新人記録をマークし、セットアッパー、クローザーとしても活躍し8セーブ、26ホールドを挙げた。2人ともに2年目の昨年は故障に苦しみ、今季は少しづつ復活を遂げている。

 一番苦労しているのは日本ハム吉田だ。1年目4試合、2年目5試合の登板で、そして今季は1試合に先発しただけで終わった。3年通算でも10試合1勝6敗と、一軍では成績らしい成績を収め切れていない。甲子園で金足農のエースとして輝いていた右腕が再び輝きを取り戻せるか。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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