2020年シーズンより樋越監督が就任し、一新したチームで3部優勝。今春のリーグ戦より二部に復帰した東京農業大が開幕戦で、拓殖大と対戦。終盤まで2点差を追いかける展開だったが、8回に3対3とすると、9回にサヨナラ勝ちを収め、劇的な白星を掴んだ。その白星をもたらした男は1年生・和田 泰征習志野出身)だった。

 「無死三塁だったので『外野フライでもいい』と思って、ボールは張ることなく、甘いボールを捉えるつもりで打席に入りました」

 サヨナラのチャンスで迎えたルーキーは冷静に打席に入り、高めに浮いたボールを一振りで捉え、一役ヒーローとなった。

 習志野時代には選抜準優勝を経験するなど、実績は十分な和田。樋越監督も「甲子園を経験していて物怖じしませんし、思い切りが良い。なのでオープン戦でもずっとスタメンで起用し続けていました」と高い期待を寄せている。和田も甲子園の経験は「財産になっているので、リーグ戦でも経験を活かして貢献したい」とコメントしており、習志野時代の経験値を余すことなく大学野球で活かしている。

 拓殖大戦は、疲労によって調子を落としていることからスタメンから外れたが、ベンチには入っていた和田。ベンチでは「常に最初から準備していましたし、相手投手が代わるごとに特徴は確認しながら考えていた」と身体も心も準備し続けてきたが、チームに合流するまで和田は大学野球で活躍するために準備もしてきた。

 「大学だとボールのキレ、球威が違うので、高校と同じだと対応できないと思いましたので、フォームを見直して、早く改善が出来ればと思っていたところで、サヨナラ打を出せたことは良かったと思っています」

 そのためにも、目線をいかにずらすことを無くすことで、長くボールを見て打てるようにすることを自身の中でテーマに掲げている。そこですり足にも挑戦するなど、ずれを軽減させることで打撃技術を向上させようと試行錯誤を繰り返している。

 同じ東都の2部にいる日本大には習志野時代の同期・角田 勇斗山内 翔太がいる。「今でも連絡は取り合いますが、互いに切磋琢磨し合ってリーグ戦で戦えるのを楽しみにしたいです」と対決を心待ちにしているようだった。

 劇的勝利をもたらしたルーキー・和田のスタメン出場はいつになるのか。東京農業大が誇るスラッガーとしての第一歩を踏み出した和田の今後が楽しみだ。

(記事:編集部)