即戦力で期待されるも19年ハムドラ2の立野和明(中部大一出身)の1年目は未登板。来季へ向けてアピール!
立野和明(中部大一出身)
「去年、本指名された投手の中で、1軍で投げていないのは自分だけなので、隠し玉だと自分は思っています」
28日のフェニックスリーグの阪神タイガース戦後、報道陣の取材に対してそう答えたのは先発して5回無失点の好投を見せた立野 和明投手(中部大一出身)だ。東海理化を経てドラフト2位で入団した立野のルーキーイヤーはファームで12試合に登板して、2勝3敗1セーブの結果に終わった。
ドラ1の河野竜生(鳴門-JFE西日本)、ドラ4・鈴木健矢(木更津総合-JX-ENEOS)、ドラ5・望月大希(市立船橋-創価大)と本指名の投手が全員一軍登板をする中、悔しさは大きい。
ただ、フェニックスリーグで見せた立野の投球は来季に期待をもたせる内容だった。
投球フォームが特徴的で、あらかじめ軸足を曲げて少し重心を溜めた状態でセットポジションに入り、滑らかな平行移動で重心を前へ運んでいく。その勢いを利用して力強く腕を振り抜いていき、阪神戦では最速146キロを計測したストレートを軸に若虎打線を圧倒した。
今年は9月末にはわき腹の肉離れで1か月ほど戦線離脱。11月からのフェニックスリーグでの復帰を目指して、ゆっくりリハビリをしてきた。
だからこそ、「キャンプのつもりで参加しました」とあくまで練習やトレーニングを重要視。また投球イニングを少しずつ増やしていき、焦らずに過ごしてきた。こうした自分の取り組み、目的といったものを考えて行動に移せるところが立野の人間として強みだ。
その一端が見えたのは、現在のフォームの課題について聞いた時だ。
「怪我した時はプレートの位置を変えたことで、見える景色が変わって、腰の位置が落ちてしまいました。今は怪我する前のフォームに戻していますが、どのボールを投げる時も自分の思った通りの力感でボールを投げられています。
これまで試行錯誤してきたことですが、フォームの中で力感にメリハリ、バランスが良くなってきていると思います」
即戦力として期待されたが2020年は登板なし。来シーズンは2年目として迎え、1軍確保へ立野の中でも強い想いがある。
「来年はチャンスだと思います。これを逃したら今後はないと思いますので、春先からきちんと投げられるように準備してアピールしていきたいです」
任されたポジションであれば、どこでも投げる覚悟を持つ立野。勝負の2年目を万全の状態でスタートするべく、オフシーズンをいかに過ごすのか。春からのキャンプでのピッチングを楽しみにしたい。
<2軍成績>
12試合登板 2勝3敗1セーブ 防御率3.81
52回 被安打54 与四死球23 奪三振48 自責点22