打ち勝つ野球の中で多和田真三郎、松本航、宮川哲らが即戦力として活躍【ドラ1選手のルーキーイヤー】
松本 航(明石商・日本体育大)
プロ志望届の提出期限が過ぎ、いよいよ今年のプロ野球ドラフト会議の日が迫ってきた。今年も多くの選手がドラフト候補として名を連ねるが、やはり一番の注目は「ドラフト1位候補」だろう。
ドラフト1位といえど、将来のエース候補、来季の即戦力候補など位置づけは様々で、それは起用法にも表れる。そこで今回は、各球団が直近5年間で指名してきたドラフト1位選手たちの、ルーキーイヤーの成績を振り返りたい。
最終回は埼玉西武ライオンズを見ていこう。
大卒以上の右腕3人が「即戦力」も、防御率は4点台
埼玉西武の過去5年間のドラフト1位指名選手とそのルーキーイヤーの成績は以下の通り。
2015年 多和田 真三郎(中部商・富士大) 投手
18試合 7勝5敗 98.2回 91奪三振 防御率4.38
2016年 今井 達也(作新学院) 投手
7試合 1勝0敗 15.1回 21奪三振 防御率2.35(ファーム)
2017年 齊藤 大将(桐蔭学園・明治大) 投手
16試合 1勝3敗 1ホールド 16.2回 10奪三振 防御率7.02
22試合 0勝5敗 1セーブ 49.2回 40奪三振 防御率4.71(ファーム)
2018年 松本 航(明石商・日本体育大) 投手
16試合 7勝4敗 85.1回 65奪三振 防御率4.54
2019年 宮川 哲(東海大山形・上武大・東芝) 投手
44試合 2勝1敗 11ホールド 39.1回 43奪三振 防御率4.12
※10/24終了時点
2015~2019年の5年間で埼玉西武が指名したのは、高卒投手1人、大卒投手3人、大卒社会人投手1人となっている。打ち勝つ野球でパ・リーグ二連覇中の埼玉西武だが、1位指名は投手が続いている。
中でも大卒右腕の2人が、先発投手として活躍を見せた。多和田 真三郎はシーズン途中に一軍昇格を果たすと、そこから先発ローテーションの一角を担い、18試合に先発して100回近い投球回を投げた。松本 航も、多和田同様シーズン途中に一軍デビューを果たし先発ローテーションに定着。16試合で85回を投げ、チームの優勝に貢献した。
チームでは2012年の増田 達至以来の大卒社会人となった宮川 哲は、増田同様リリーフとして活躍を見せている。ここまで44試合に登板し、投球回を上回る奪三振を記録するなど、チームにとって欠かせない戦力となった。
菊池 雄星以来のドラ1左腕となった齊藤 大将は、主に救援として16試合に登板を果たした。しかし16.2回で四死球17、防御率7点台と課題の残るシーズンとなった。
甲子園優勝投手としてプロ入りした今井 達也だが、一軍での登板はなかった。しかしファームで7試合に登板し防御率2点台と、才能の片鱗を見せ翌年のデビューへと繋げた。
3人が1年目から一軍の戦力として機能した埼玉西武だが、その3人ともが防御率4点台と、好成績と呼べるかは微妙なラインなのも事実だ。今年のドラフトで即戦力投手を獲得するのであれば、3人を超える投球ができるクラスの投手を獲得したいところだろう。
(記事:林龍也)