石川昂弥はどうなる? 愛知県の高校から高卒で中日へドラ1で入団した選手たち
石川昂弥(東邦-中日)
昨年のドラフト会議で中日は、地元東邦高校のスラッガー石川昂弥に1位で入札。与田剛監督が当たりくじを引き、みごと地元出身の逸材を獲得した。春の甲子園でチームを優勝に導いた才能は当然のこととして、地元出身というのも獲得への大きなポイントとなったはずだ。ご当地選手の獲得はやはり盛り上がる。
さて過去中日において、石川のように地元愛知県の高校から直接ドラフト1位で指名された選手はどれくらいいるのだろうか。
初めて中日がドラフト1位で愛知県の高卒選手を指名したのは、1966年2次ドラフトのる伊熊博一(中京商)だ。伊熊は3年時に甲子園春夏連覇を達成しており、強打の外野手として期待されていた。しかし、プロ入り後は43試合の出場で打率.119(42打数5安打)と目立った成績を残すことはできなかった。
1970年の1位である氏家雅行(大府)は、1試合も出場することなくユニフォームを脱いだ。伊熊、氏家とスター候補生は結果を残すことができなかったのである。その影響があったのかは定かではないが、しばらく地元出身のドラフト1位選手は誕生しなかった。
しかし、1980年代に入ると藤王康晴(享栄/1983年)、近藤真一(享栄/1986年)と2人を指名する。しかし、藤王はルーキーイヤーに2本塁打を放つもそれ以降は苦しみ結果を残すことができなかった。
一方の近藤は初登板でノーヒットノーランという離れ業をやってのけるセンセーショナルなデビューを果たす。2年目も8勝を挙げたが、以降は未勝利に終わっている。地元出身のドラフト1位としては、物足りない成績に終わってしまった。
1993年の平田洋(豊田大谷)は2試合のみの登板と期待に答えることができていない。1999年には石川の先輩に当たる朝倉健太(東邦)が入団。朝倉は4度の2桁勝利をマークするなど通算62勝を挙げており、まずまずの活躍を見せたと言っていいだろう。
2001年に指名された前田章宏(中京大中京)は2013年まで12年間に渡ってプレーしたが、一軍通算54試合の出場に留まっている。
2006年高校生ドラフト1巡目の堂上直倫は2010年から出場機会を増やし、2016年には初めて規定打席に到達。昨シーズンは98試合の出場ながら、12本塁打と初めて2桁本塁打を記録した。今年で32歳になるが、まだまだ第一線でレギュラーを争う立場だ。
このように愛知県の高校から直接ドラフト1位で中日に入団を果たした先輩たちを振り返ってみると、近藤や朝倉、堂上が戦力にはなっているものの、大きな実績を残したと言える選手はいない。
はたして石川は先輩たちを超える活躍ができるだろうか。5年、10年先が楽しみだ。
【愛知県の高校から中日に高卒ドラ1指名された選手】
伊熊博一(中京商/1966年2次)
氏家雅行(大府/1970年)
藤王康晴(享栄/1983年)
近藤真一(享栄/1986年)
平田洋(豊田大谷/1993年)
朝倉健太(東邦/1999年)
前田章宏(中京大中京/2001年)
堂上直倫(愛工大名電/2006年)
石川昂弥(東邦/2019年)
(記事:勝田聡)
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