寮生は4月になって全員が帰省、自主トレを続けながら再開を待つ豊川

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2020.05.17

昨年の秋季東海地区大会での豊川のシートノックの様子

 2014(平成26)年のセンバツで初出場を果たし、初戦突破したと思ったら、その勢いでベスト4進出。その年から新調した、愛知県勢としては非常に珍しかった赤のピンストライプのユニフォームのイメージをすっかり定着させた豊川。他のスポーツ部も非常に盛んで、駅伝は男女とも冬の都大路では上位進出も果たす常連校。水泳部も五輪選手も輩出しており、日本代表候補選手なども抱えている名門校としても知られている。そんな多くの選手が寮で生活しているが、野球部も大半が寮生活だ。

 昨秋は県大会でベスト4に進出し3位決定戦を制して出場した東海大会でも初戦突破。今井陽一監督としても、今季のチームに関してもある程度の手ごたえは感じていたところで、一冬越えてのチームの成長を楽しみにしていたところでもあった。

 トレーニングを積んできて迎えて、いよいよシーズン到来かという矢先の3月。休校要請となった際に、寮生の多い野球部としてはどうするか、今井監督はすぐに保護者とも相談し、帰省するか否かの判断となった。当時の結論としては、保護者たちの方からは「帰省した方が、いろんな友達との接触なども増えるし、却って感染リスクが高くなるのではないか」という意見が多かった。それで、寮内での生活を原則ということにして、そのまま寮にとどまった。

 そして、状況を見て、分散して短時間ながら、ブルペンや室内練習場などを利用してそれぞれで練習は続けられていたという。ある程度は試合形式の練習が出来た時期もあったというが、4月に入って再度自粛要請が発せられることになってしまった。学校の方からも、「万が一クラスターが発生する危険性もあるので、一旦は生徒たちは帰省させるように」という指示が出た。それで結局、全員が帰省することになった。

 こうして、現在は全員が自宅で自主トレを行って準備をしている。1日の報告は、LINEで任意に行われる形となっているようだ。それをグループで共有することにより、それぞれが相手の様子も見られて刺激し合うことで、励みになるという。

「現実には、シャドウピッチングやランニング、スイングの報告などが来るのですけれども、それでどれくらい進んでいるのかということは、正直わかりません。だけど、そこはきちんとやってくれているということを信じるしかないですから」

 今井監督としても、何のアドバイスも出来ないことのもどかしさは否めない様子だ。それでも、家が近い者同士はティ打撃などのやれる場所を見つけて、そこで一緒にシャトルティなどもやっている選手もいるという。

 新入生に関しては、27人の入寮が決まっていて、一旦は入寮したものの、1週間もしないうちに早々に一時退寮ということになってしまった。
「せっかく、そろそろ(寮生活に)慣れてくるかなというところだったのに、すぐまた出てしまって…。今度来た時に、また最初からやり直しということになりますからね」

 今井監督としても、苦笑するしかないという状況だろう。

 現状、夏の甲子園が中止になる可能性が高いということも報じられてきているが、その場合でも県高野連などでは独自の大会なども計画されている。そんな情報も錯綜している中で、「(試合そのものは)あるものだということを信じてやっていこう」ということしか伝えようがないのも現実だろう。

「実際、練習が再開されたとしても、集まってみてどれくらい仕上がっているのか。それはやってみないとわかりませんからね」
 と今井監督は、現状では何とも判断できないもどかしさは正直なところであろう。

 豊川には大学や社会人など上のステージでも野球を続けたいという選手も多くいる。そんな選手たちの進路に関しても気になるところでもある。ただ、昨秋には東海大会まで進出したことによって、ある程度は多くの関係者にも見てもらえているというのは大きい。

 6月あたりから、授業は再開されていく方向ではあろうが、現実には、すぐに活動開始とはなかなかいかないであろう。
「まずは寮に戻ったとして、そこから徐々に自主練習から始めていくというスタートになるでしょうね」

 そう今井監督は見ているが、それが正直なところであろう。

(取材=手束 仁

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