西武・川越は打率5割、2011年春の甲子園に出場した選手は誰がいる?
川越誠司選手(埼玉西武ライオンズ)
今年は新型コロナウイルスの影響で春の甲子園が中止となった。選手たちは夏の甲子園へ向け、気分を新たにしたいところだが、その夏の甲子園の開催も現時点では不透明。気持ちの置き場がないような状況になっている。
今から9年前も同じような状況になりかけた。東日本大震災である。2011年3月11日に日本を襲った未曾有の大地震。東北地方を中心に大きな被害があった。そのために春の甲子園の開催が危ぶまれたのである。
結果として春の甲子園は開催され、東海大相模が11年ぶりの優勝を飾っている。もちろんその大会には、後にドラフト指名されNPBに入団した選手も多く出場していた。当時の3年生の多くは今年27歳。現在、チームの主力となっている選手も見受けられる。
優勝した東海大相模には田中俊太(巨人)、菅野剛士(千葉ロッテ)、渡辺勝(中日)の3人が所属していた。いずれも高卒でプロ入りせず、大学へ進学しているのが共通点だ。
一方、準優勝の九州国際大付属は三好匠(広島東洋)と高城俊人(横浜DeNA)がバッテリーを組んでいたが、いずれも高卒でプロ入りを果たしている。
その他の投手では金沢の釜田佳直(東北楽天)と鹿児島実の野田昇吾(埼玉西武)が注目されていた。とくに釜田は最速150キロを誇り、初戦で5回2死までパーフェクトピッチング。結局敗れはしたものの、8回4失点(自責1)、11奪三振とその片鱗を見せつけた。
波佐見の松田遼馬(福岡ソフトバンク)も2試合で18回を投げ3失点(自責1)と好投。初戦では近藤健介(北海道日本ハム)と乙坂智(横浜DeNA)、1学年下の柳裕也(中日)を擁する横浜相手に1失点(自責0)の完投勝利をマークした。
今年から野手に転向した川越誠司(埼玉西武)は北海の「4番・右翼」で出場。3試合で打率.500(12打数6安打)、1本塁打と大暴れ。打者としての素質を早くから発揮していたのである。
1学年下の選手では光星学院高の北條史也(阪神)と田村龍弘(千葉ロッテ)が出場している。この大会で田村は、現在のように捕手ではなく背番号「5」で三塁を守っていた。
その他にも報徳学園の田村伊知郎(埼玉西武)や九州学院の溝脇隼人(中日)らが2年生ながら出場している。
彼らは大会直前の東日本大震災を乗り越え甲子園の舞台で活躍し、プロへの道を切り拓いた。苦難を乗り越えてきた選手たちの9年目のシーズンに期待したい。
【2011年春の甲子園出場者】
※2020年シーズンNPB現役
※育成契約を除く
※2年生表記は新学年
<横浜DeNA>
乙坂智(横浜)
高城俊人(九州国際大付属)
<阪神>
髙山俊(日大三)
坂本誠志郎(履正社)
北條史也(光星学院)※2年生
<広島東洋>
三好匠(九州国際大付属)
<中日>
渡辺勝(東海大相模)
柳裕也(横浜)※2年生
溝脇隼人(九州学院)※2年生
<東京ヤクルト>
なし
<埼玉西武>
野田昇吾(鹿児島実)
川越誠司(北海)
田村伊知郎(報徳学園)※2年生
<千葉ロッテ>
菅野剛士(東海大相模)
田村龍弘(光星学院)※2年生
松田進(国学院久我山)※2年生
<オリックス>
なし
(記事=勝田聡)
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