球界のエース・菅野智之、四番・中田翔輩出!89年世代ドラ1の現在地

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2020.05.09

 野球の世界には「松坂世代」を始め、有力選手が集まった世代を「〇〇世代」と形容する流れがある。毎年12名のドラフト1位が生まれるので、平均すれば各世代に12名のドラ1がいることになるのだが、多い世代、少ない世代というのが出てくる。そこで世代別にドラフト1位を集計し、その現在地を見ていきたい。今回は高卒13年目、31歳を迎える89年世代だ。

高卒、大卒、大卒社会人とバランス良く活躍



菅野智之、中田翔

 89年世代でドラフト1位指名を受けたのは、高卒11人、大卒4人、大卒社会人2人の計17人。高校生ドラフトが実施されたこともあり、人数は大幅に増えている。彼らの主な通算成績は以下の通り。

<2007年ドラフト>
佐藤 由規仙台育英・東京ヤクルト・東北楽天) 5球団競合
91試合 32勝26敗 534.1回 454奪三振 防御率3.66

中田 翔大阪桐蔭・北海道日本ハム) 4球団競合
1303試合 226本塁打 829打点 打率.253

唐川 侑己成田・千葉ロッテ) 2球団競合
246試合 71勝69敗 1198回 761奪三振 防御率3.79

岩嵜翔(市立船橋・福岡ソフトバンク) 外れ1位・2球団競合
234試合 28勝26敗 5セーブ72ホールド 534.2回 348奪三振 防御率3.32

高濱 卓也横浜・阪神・千葉ロッテ) 外れ1位・2球団競合
195試合 3本塁打 28打点 打率.222

丹羽 将弥岐阜城北・オリックス) 外れ1位
一軍公式戦出場なし

寺田 龍平札幌南・東北楽天) 外れ1位
一軍公式戦出場なし

藤村 大介熊本工・読売) 外れ1位
294試合 0本塁打 27打点 49盗塁 打率.226

安部 友裕福岡工大城東・広島東洋) 外れ1位
589試合 24本塁打 146打点 47盗塁 打率.267

田中 健二朗常葉菊川・横浜DeNA) 外れ外れ1位
208試合 11勝13敗 1セーブ50ホールド 228.1回 186奪三振 防御率3.86

赤坂 和幸浦和学院・中日) 外れ外れ1位
1試合 0勝0敗 1回 0奪三振 防御率0.00

<2011年ドラフト>
藤岡 貴裕桐生第一・東洋大・千葉ロッテ・北海道日本ハム・読売) 3球団競合
166試合 21勝32敗 484.2回 353奪三振 防御率4.16

菅野 智之東海大相模・東海大) 2球団競合
北海道日本入団拒否

野村 祐輔広陵・明治大・広島東洋) 単独指名
172試合 71勝52敗 1036.2回 654奪三振 防御率3.38

伊藤 隼太中京大中京・慶應義塾大・阪神) 単独指名
365試合 10本塁打 59打点 打率.240

<2012年ドラフト>
菅野 智之東海大相模・東洋大・読売) 単独指名
176試合 87勝47敗 1222.2回 1083奪三振 防御率2.36

<2013年ドラフト>
吉田一将(青森山田・日本大・JR東日本・オリックス) 単独指名
203試合 17勝19敗 1セーブ55ホールド 306回 235奪三振 防御率3.71

小林誠司(広陵・同志社大・日本生命・読売) 外れ1位
611試合 14本塁打 134打点 打率.219

 まずはドラフト時に話題になった高校ビッグ3の3人から。中田 翔は4年目からレギュラーに定着し、226本塁打、829打点。何かと厳しいことを言われがちではあるが、長くチームを引っ張り、成績も残してきた。唐川 侑己は、入団以来12年連続で勝利を挙げている。

 二桁勝利は4年目の一度だけだが、大きな離脱なく、毎年チームの戦力になり続けている。佐藤 由規は3年目に当時の日本選手最速161キロを計測するなど、12勝を挙げる活躍を見せた。しかし以降は故障に苦しみ、登板機会が減少。昨季からは地元仙台の楽天に移籍し、復活を期す。

 安部 友裕は、内野の全ポジションを守れるユーティリティプレイヤーとして活躍。2017年には自身初の規定打席に到達し、セ・リーグ4位の打率.310を記録するなど、広島のセ・リーグ3連覇に大きく貢献した。藤村 大介は一軍デビューを果たした2011年に、いきなり盗塁王を獲得。翌年も109試合に出場したが、以降は出場機会が減少し、2017年オフに現役を引退した。

 岩嵜翔、田中 健二朗は中継投手として輝きを放った。2人とも近年は故障のため登板数が減っているが、今季の復活に期待がかかる。阪神、ロッテで大きな期待がかけられている高濱 卓也だが、2016年の53試合3本塁打がキャリアハイとなり、以降は数字を伸ばせずにいる。赤坂 和幸は1試合、丹羽 将弥寺田 龍平は一軍公式戦出場なしで現役を終えた。

 この世代は大卒投手もビッグ3と呼ばれる3人がいた。日本ハムの指名を拒否し、1年の浪人後に巨人入りを果たした菅野 智之は、日本最高の右腕へと成長した。プロ入り以来7年連続で22試合以上に登板し、二桁勝利を逃したのは2016年(9勝)のみ。あと13に迫った通算100勝を超え、どこまで勝ち星を積み上げるのか楽しみだ。野村 祐輔も入団以来コンスタントに勝利を積み重ね、通算71勝。8年連続15試合以上登板は立派な数字だ。

 ビッグ3で最も指名を集めた藤岡 貴裕は、プロ入り時こそ順調に勝利を挙げたが、6年目以降は未勝利。昨季途中、3球団目となる巨人へトレード移籍となった。伊藤 隼太は、レギュラー定着こそできていないが、代打で存在感を発揮している。昨年は自身最多96試合に出場しており、キャリアハイの更新を目指したい。

 大卒社会人では小林誠司が奮闘している。打率こそ2割台前半だが、守備と肩は球界トップクラスで、侍ジャパンにも選出されて世界一も経験した。吉田一将は入団以来6年連続勝利を挙げるなど、コンスタントに活躍を見せる。3年目からは中継としてブルペンを支えている。

 17人中4人が現役を引退した89年世代のドラ1選手たち。故障からの復活を期す選手や、厳しい状況にある選手、チームの大エースとして君臨する選手など様々だが、1年でも長く、彼らの活躍を見させてもらいたい。

記事:林 龍也

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