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甲子園だけの大会ではない 野球界の未来発展にも貢献したイベントを大学準硬式が開催

2022.11.15

甲子園だけの大会ではない 野球界の未来発展にも貢献したイベントを大学準硬式が開催 | 高校野球ドットコム
全体の集合写真

 野球界が大きな問題として向き合わなければならないのは、野球人口の減少の歯止めだ。昨今の課題として、いかに底辺となる子どもたちの野球人口を増やすのか。そして、どうやって継続してもらうか。NPBをはじめとした様々な機関で野球教室などを開催しているが、大学準硬式でも野球人口の拡大に向けて、取り組んでいる。

 13日に甲子園で全日本大学準硬式野球東西対抗日本一決定戦甲子園大会を開催するにあたって、11日から調整を始めていたが、12日の午後、野球をやっている地元の小学生たちを呼んで、Baseball5を通じて交流をしながらも、野球の魅力を先輩球児として伝えてきた。

 そもそも、Baseball5は1チーム5人で5イニング制で戦う、1球あれば試合ができる競技。野球、ソフトボールの新しいストリート競技ということで、急速に広がっているスポーツだ。

 今回は厳密にいえば、Baseball5ではないそうだが、ルールをいくつか省力するなど工夫を凝らすオリジナル性を持たせつつも、子どもたちに対して「1球あればどこでも楽しく遊べる」ものだと伝えることが今回の狙いだ。

甲子園だけの大会ではない 野球界の未来発展にも貢献したイベントを大学準硬式が開催 | 高校野球ドットコム
子どもたちの前で説明する東日本選抜のスコアラー・田口琳珠さん

 公園に行ってもボール遊び禁止の看板は、よく掲示されている。半ば強制的にボール遊びできる環境が少ないのが現実だ。また野球人口減少の要因の1つに上がっている、道具の値段が高騰しているという問題もある。野球をする環境、そして使う道具など、野球界を取り巻くいくつかの障壁、ストレスはあるが、Baseball5であれば、必要なのはボール1球だけ。場所や道具の問題は解決できる、手軽かつ野球の導入としても最適なスポーツなのだ。

 大学準硬式界では、東都大学野球準硬式界連盟がBaseball5を通じて普及活動を率先的に行い、野球の魅力を伝えてきた。

 これまでのノウハウを今回も生かしたような形だが、子どもたちともすぐに打ち解けている様子を見れば、これまでの経験が発揮されているのが良く分かった。見学していた保護者も、「スムーズにやっていますし、年齢が近いので、なじんでやっていると思います」と大学準硬式らしい学生主体の運営も、評価している様子だった。

 この日は最初リレーで体をほぐすと、ボールを使って子どもたちの交流を深めつつも、ボール回しなどの野球のプレーに近いメニューに近づけていき、最後はミニゲームを実施。簡単なノックで一緒にプレーもするなど、充実の2時間を過ごした。

甲子園だけの大会ではない 野球界の未来発展にも貢献したイベントを大学準硬式が開催 | 高校野球ドットコム
イベントの模様

 前日に進行役を買って出たという東日本選抜のスコアラー・田口琳珠さん(市川出身)はイベントを終えてから「最後は子どもたちが喜んでくれていたので、やってよかったです」と話せば、同じ東日本選抜で、子どもたちと終始触れ合っていた明治大・永井 克樹外野手(広島広陵出身)は「貴重な経験をさせてもらえて感謝しています」とコメント。また、西日本選抜の西村 和真投手(高知小津出身)も「(野球の楽しさを)再確認できて楽しかったです」と話すなど、貴重な交流の場を楽しんでいるようだった。

 大会ディレクターとして監修している杉山智広さんも「(Baseball5を通じて)野球の楽しさを伝えるだけではなく、世代を超えた交流を通じて学ぶところがあればと思います」と話していたが、十分に伝わっていたのではないだろうか。

 今回は夢舞台・甲子園が最注目ではあったものの、社会で活躍できる「人財」を育てる大学準硬式にとっては、Baseball5といったグラウンド外の取り組みも非常に大事だ。今後も競技の普及・向上はもちろん、社会貢献活動を通じた「人財」育成の両輪で大学準硬式界を前へ進めていくだろう。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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