セ・リーグでは巨人・オコエが大奮闘!現役ドラフト移籍組の現在地
高校時代のオコエ 瑠偉(関東一)
昨年の12月にNPBで初めて現役ドラフトが行われた。各チーム1人の入退団があり移籍した12人は新チームでどのようた立ち位置になっているのだろうか。開幕まであとオープン戦を数試合残すのみとなった現時点での状況を確認してみたい。
セ・リーグ3連覇を目指すヤクルトはロッテから成田 翔投手(秋田商出身)を獲得した。昨シーズンは2軍で46試合に登板し防御率2.27と好投したものの1軍での登板はなかった。移籍後の春季キャンプは2軍スタートだったものの3月に1軍へ合流。
オープン戦初登板では失点を喫したものの、その後は3試合に登板し失点は0。とくに2死一、二塁でワンポイント起用された3月19日の阪神戦では、佐藤 輝明内野手(仁川学院出身)を注文通りに空振り三振に仕留めた。中継ぎ、それも左のワンポイント起用で開幕1軍を目指すことになる。
同じく中継ぎ左腕では巨人から広島へ移籍した戸根 千明投手(石見智翠館出身)もオープン戦7試合6.2回を投げ自責点は0。失策絡みで2点を失っているものの与四球は1で防御率0.00と好投を続けている。昨シーズンは9試合で防御率5.02と苦戦したが、ここまでは順調だ。
先発投手では中日からDeNAへ移籍した笠原 祥太郎投手(新津高出身)とソフトバンクから阪神へ移籍した大竹 耕太郎投手(済々黌出身)がオープン戦に登板している。とく大竹は3試合で10回を投げ防御率3.60。3月15日のDeNA戦では4回無失点、被安打1、与四球0と好投。54球と球数もかからずしっかりと抑えた。先発ローテーションに入ることが濃厚だ。
野手では楽天から巨人へと移籍したオコエ 瑠偉外野手(関東一出身)がオープン戦14試合で打率.316(38打数12安打)と絶好調。好走塁も見られレギュラーを奪わんとする勢いだ。巨人の外野は左翼が定まっておらず「1番・左翼」で開幕スタメンもあり得る状況となっている。
一方でDeNAから中日へと移籍した細川 成也外野手(明秀日立出身)は2月の実戦では3本塁打と好調。オープン戦トータルでは14試合に出場し打率.200(30打数6安打)、1本塁打と苦戦しているが、25日のロッテ戦では2安打を放つなど開幕1軍へ好アピールした。
現役ドラフトで移籍した6人のうち何人が開幕1軍の座をつかむだろうか。開幕までおよそ1週間。その動向を見守りたい。
<現役ドラフト移籍選手のオープン戦結果>
ヤクルト:成田翔(元ロッテ)
4試合(2.1回)0勝0敗1セーブ 防御率3.86
DeNA:笠原祥太郎(元中日)
1試合(5回) 1勝0敗 防御率0.00
阪神:大竹耕太郎(元ソフトバンク)
3試合(10回) 0勝1敗 防御率3.60
巨人:オコエ瑠偉(元楽天)
14試合 打率.316(38打数12安打) 0本 3打点 2盗塁
広島:戸根千明(元巨人)
7試合(6.2回) 0勝0敗 防御率0.00
中日:細川成也(元DeNA)
14試合 打率.200(30打数6安打) 1本塁打 1打点 0盗塁
※数字は2023年3月25日終了時点
(記事=勝田 聡)