
高校時代の渡邉 陸(神村学園)
オフシーズンに大型補強を行ったソフトバンクだが、生え抜き選手からもブレークしそうな選手がいる。高卒5年目を迎える渡邉 陸捕手(神村学園出身)だ。
渡邉は2018年育成ドラフト1位で指名を受け神村学園(鹿児島)からソフトバンクへと入団した捕手。3年目の2021年に支配下登録されると、昨シーズン初めて1軍での出場を勝ち取った。
正捕手として甲斐 拓也捕手(楊志館出身)が君臨していることもあり、20試合の出場だったものの、打率.273(33打数9安打)、3本塁打、OPS.909と存在感を示した。打撃型の捕手として期待は大きい。
そんな渡邉は今年、1軍に相当するA組で春季キャンプをスタートさせた。このキャンプでは打撃練習から快音を響かせ、2月23日にアイビースタジアムで行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)キューバ代表との練習試合では、「9番・捕手」でスタメン出場を勝ち取った。
その期待に応えるかのように第1打席と第3打席で適時打を放ち2安打3打点と結果を出した。甲斐が侍ジャパンに合流していることで不在だったとはいえ、大きな自信になったことだろう。
甲斐、そしてこのオフにFA権を行使してDeNAから加入した嶺井 博希捕手(沖縄尚学出身)ら捕手のライバルは多い。しかしこの打撃力は大きなアドバンテージだ。
藤本博史監督はすでに開幕投手を大関 友久投手(土浦湖北出身)と発表済み。渡邉は大関と昨シーズン6試合で先発バッテリーを組んでいる。これは甲斐の7試合とほぼ同じであり、渡邉が1軍に合流していた期間は大関が先発する試合のすべてでスタメンマスクをかぶっていた。
開幕戦は特別な一戦ということもあり、一般的には不動の正捕手がマスクをかぶることが多い。しかし渡邉がこのまま打撃で結果を残すことができれば、開幕スタメンマスクの可能性も十分にありそうだ。
開幕スタメンマスクを目指す渡邉の打撃にオープン戦でも注目が集まる。